『おどろきの中国』

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1972年の国交正常化以来、現在の日中関係は最大級の緊張状態にあると言っても過言ではない。なぜ中国には日本人の「常識」が通じないのだろうか?

この疑問に答えるように、講談社から『おどろきの中国』(講談社現代新書、945円)が2月(2013年)に刊行された。本書は、近くて遠い隣国との「真の付き合い方」を提案しようと、日本を代表する3人の社会学者、橋爪大三郎氏、大澤真幸氏、宮台真司氏が様々な角度から、主に以下のような事柄を討論したものだ。

中国を3人で旅して感じた「日本人には理解できない常識」

そもそも中国とは「国家」なのか? 毛沢東の権力とはいかなるものだったのか? 日中の歴史問題をどう捉え、これからをどう付き合うか? 21世紀、中国は覇権国家となりうるのか?

いずれも、私たち日本人が見逃すことができないテーマだ。

著者のひとりである橋爪氏は中国人女性を妻にもつ、中国研究のスペシャリストでもある。この鼎談に先立ち、その橋爪氏の案内で大澤氏、宮台氏らはともに中国を旅行して、その経験をもとにして本書は成り立っている。

本書によれば、たとえば中国は序列(ランキング)を非常に気にするお国柄で、「3人が旅したときも、大学の先生から招かれた夕食会で誰がどこに座るかでずいぶんと待たされた」など、日本人の感覚では知りえない話が満載で、「本当の中国の姿」を知ることができる。

橋爪氏は本書で以下のように指摘している。

「これからの中国というとすぐ、『民主化』と反応する日本人が多い。そんなに簡単でない。中国の実際を、日本人はとにかく知らなすぎる。まぁ、アメリカ人やヨーロッパ人だって知らないのだが、巨大な隣国のことを知らない日本人は、やはりまずい」

「ディープな中国」を知る3人からは"目からウロコ"の議論が百出している。この書で本当の姿を知り「真の付き合い方」を考えるきっかけになれば、日中関係の未来は決して暗くないはずだ。本書は発売後すぐに、3刷10万部に達している。