バレンタインデーがあけたばかりの2月15日、神保町は三省堂本店。『文化系トークラジオLifeのやり方』(著:鈴木謙介・長谷川裕/以下Life本)の発売を記念して開催されたトークイベント「文化系SWEET MEMORIES」に突撃して参りました。

 「文化系トークラジオ Life」というのは、毎月第4日曜日の深夜25時から放送されているTBSラジオの名物番組。司会を務める社会学者の鈴木謙介さんをはじめ、ジャーナリストの津田大介さんや社会学者の古市憲寿さんなど、いま注目の若手論客たちを続々と輩出してきたことで知られています。2冊目の番組書籍となる今回のLife本には、反響の大きかったテーマの放送内容まとめに加えて、プロデューサーと司会それぞれが番組に抱いている思いを語り下ろしで収録。Lifeらしさがぎゅっと詰めこまれた一冊です。

 発売を記念して先に新宿紀伊國屋ホールで行われたイベントでは、なんと数百名を集めての満員御礼!今回のイベント予約も早々に〆切られてしまったようでしたので、本レポートにて当日の模様をお伝えします!

 司会は番組サブ・パーソナリティのお二方、ライター・編集者の速水健朗さんと、編集者の斎藤哲也さん。今回の書籍化を手がけた斎藤さんの、「今日はみんなで、心の中の恥ずかしい部分をさらけ出したいと思います!」との言葉でイベントはスタート。書き手として大活躍中のお二人の小学校時代の文集や学生時代に書いた歌詞など、華麗なる執筆歴が壇上のスクリーンに映し出されるごとに、会場に拍手と笑いが起こります。

 続いて編集者の仲俣暁生さん、ライターの西森路代さん、人材コンサルタントの常見陽平さんら、リスナーにはおなじみの面々が登場。仲俣さんはフォークバンドをやっていたころの、西森さんはOL時代の写真を公開しつつ、それぞれが過ごしてきた文化系人生を語りました。"一人宝島"的なスクラップ帳をコピーして知人に渡していたという仲俣さんに、所属していたプロレス研究会の冊子を学内で配っていた常見さん、そしてOL時代にネット古書店を運営していた西森さん。三者三様の話を受けて、速水さんからは「みんなそれぞれ自分のメディアをつくるタイミングがある」との興味深い指摘も。

 個人的に驚いたのは、「大槻ケンヂのオールナイトニッポンを録音し、翌週まで毎日くりかえし聞いていた」という常見さんのラジオ愛。同じ番組を何度も聞くという発想がわたしにないのは、世代のちがいによるもの?? また、常見さんが多大なる影響を受けて「ラジオは僕の人生を狂わせた!」と語るように、Lifeもまた若者の人生を狂わせているのだろうか...と、メガネ率高めの客席(当社比)を眺めて考えこんでしまいました。

 そんな罪作り(?)な番組の「黒幕」ことプロデューサー長谷川裕さんの口から語られたのは、「戦艦の絵を描くときは必ず言い訳がましい自作の反戦ポエムをつけて両親の監視の目をかいくぐっていた」という少年時代や、自身が主催する音楽イベントのお客さんへこまめに手紙を送ったりテープを渡したりと集客にも余念のなかった大学時代の思い出。これだけ聞くと、利口な少年が戦略的な文化系エリートに成長した話にしか聞こえないかもしれません。しかし実はこれらのエピソードは、Life本でも語られる「やりたいことをやるためのロジックづくり」や「番組をつくるためのオルグ活動」の話につながっているのです。

 Lifeのような特異なメディアをつくり、続けていくには何が必要なのか、どういった方法をとるべきなのか? Life本は、それを伺い知ることのできる貴重な資料です。そして今回のイベントで明らかになったのは、プロデューサーの半生が番組を形づくっているという事実。それは、同じような「場づくり」をしたいと考える人にとって、本の内容と同じく大変に示唆的なものだったのではないでしょうか。

 イベントはギリギリまで話に花が咲き、質疑応答の時間がなくなるほどの盛り上がりを見せて終了。営業終了後の店内には、登壇者の方々によって選ばれた、文化系SWEET MEMORIESな本の売り場に、お客さんの列ができていました。

 『文化系トークラジオLifeのやり方』は、全国の書店にて絶賛発売中。特設ブログ(http://lifebook954.blogspot.jp/ )も開設されたので、ぜひチェックしてみてください!(K)



『文化系トークラジオ Life のやり方』
 著者:鈴木謙介,長谷川裕
 出版社:TBSサービス
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