信用がお金に換わる世界で、僕たちは 「上場」し「株価」を付けられて生きている

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信用のありかは国家だけでなく、企業や個人に多極化している。よりよく生きていくコツは、今、流通しているハードマネーを1億円持つ、といったことではなくなった。誰とつきあうか、どう信用を創造するか、信用とは何か、などを丁寧に考え、咀嚼し、日頃から信用を貯めていく生活習慣こそ大切だ。

 これまで、国家の信用を基に発行されている「お金」だけを人は見ていた。だが最近では、企業や個人が国家に勝る信用を持ち、独自の通貨を発行し始めている。貨幣の発行に関する覇権が、国家から企業、そして個人に移りつつある。

 すると人びとは、各々の信用を母体として、価値の交換を直接行ったり、有形・無形の独自の通貨を発行していく。

やがて、あなたもお金を創りだす

 僕たち個人も、その信用を基にお金を発行するようになるだろう。そんなことが本当に起こっている。

 マネックスグループのCEOである松本大氏は、起業前に投資銀行のゴールドマン・サックスで共同経営者(パートナー)になっており、膨大なストックオプションを持っていた。あと数カ月でゴールドマンが上場し、そのストックオプションを売却すると、一説によると10億円のお金が入ってくるという状態にあった。しかし、そのオプションを投げ打って(ストックオプションは会社を辞めると価値がなくなる可能性がある)、起業した。大金をふいにしてまでやるのですか、もうちょっと待てばいいじゃないですか、と周囲は口々に言ったそうだ。

 しかし、彼は「大事なことは、やりたい仕事と信用だ」と言って飛び出した。手を伸ばせば届く10億円よりも、自分に内在する数千億円分の信用を選ぶ選択だった。結果、今の松本さんの資産はマネックスの持ち株を中心として、当時の数十〜数百倍に増えているはずだ。氏は、自分が発するひと言ひと言が信用の創造であって、それが客観化され、外部化され、数値化されたものにお金はすぎない、とその本質を知っている。

 これは決して、松本さんならではの再現不能な話ではない。一般の人にとっても信用の土台があり、それを外部化-----つまり客観的に示して、他者に認めてもらえれば「個人がお金を発行する」ことが可能であることを意味している。可能というよりも、すでにお金という形で、各人の信用が評価される時代に入っているのだ。

 また松本さんは、毎営業日、欠かさずブログを書き連ね、すでに10年近くになろうとしている。ソフトマネーを促進するのは、情報通信の発展である。有形・無形の信用が、情報通信の発展で計測でき、インターネットを通じて流通できるようになることで客観化され「お金」や「信用」として流通する動きが加速されるだろう。

 資本ではない。信用(クレジット)が主体の社会、それが新しい社会システム、信用主義社会である。

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