物価は株価のけん引役となるか〜インフレ率から見た株価の推移

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昨年11月以降、デフレからの脱却を掲げる政府当局の動きを背景に、日本の株式市場は上昇に転じており、当面の戻りの目途とされていたリーマン・ショック前の株価水準を取り戻すなど活況を呈しています。

今後の株価の動向を考えた場合、株価の騰落要因には企業業績や需給関係など様々なものがありますが、ここでは消費者物価の推移(インフレ率)を見ながら、過去を振り返ってみます。

日本の株式市場について、1980年からの30年超のTOPIX(東証株価指数)の推移(左下グラフ参照)をみると、日本経済が安定成長を続けていた1980年代、好調な内需拡大や企業業績などに加えて、インフレ率の高まりもあり、株価は上昇しました。

しかし、1990年に、一足飛びに上昇した株価の調整を経た後、経済成長の低迷に伴ない物価上昇率も鈍化傾向となる中で、企業の収益力鈍化や不良債権問題などにより株価は大きく下落しました。

とりわけ、2008年秋のリーマン・ショック以降のインフレ率の低迷(デフレ)は激しく、株価も底這う動きとなりました。

インフレ率が低迷する局面(いわゆるデフレ経済)は、必ずしも不況であるとは言えませんが、需要鈍化による企業業績の悪化や可処分所得の減少など、株価には暗い影を落とす傾向にあり、2000年頃から長く続くデフレは株価を押し下げる圧力となっていました。

そうした情勢下、本年1月に日本銀行が決定した、物価上昇率を前年比で2%程度で安定した推移とさせるとした目標(右下グラフ参照)は、これまでのデフレ経済を打破しようとするものであり、日本経済にとって歓迎すべきものと言えます。

今後は、目標達成に向けての日銀新総裁の舵取りや政府との連携に注目が集まるとともに、インフレ率が高まった場合、これまで上昇傾向となることが多かった株式にも注目が集まりそうです。

(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。

)(2013年3月12日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。

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