北朝鮮は本当に我々アメリカを核攻撃できるのか?

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また北朝鮮が米国を先制攻撃するって騒いでますね...

国連安全保障理事会への制裁決議案提示に抗議する牽制球であって、ただのポーズとは思いますが、本当にその気になったら「ワシントンまで火の海」にできるのか? 考えてみました。


飛距離はある...


ご案内の通り、北朝鮮は長距離弾道ミサイル発射実験を度々行なっています。第1回は1998年のテポドン1号。 飛翔体も分離体も軌道に達する速度は稼げず日本海、太平洋に落ちたものと推測されています。

第2回は2006年のテポドン2号(Taepodong-2)発射実験で、これは発射から40秒後に爆発しました。

2009年の第3回実験ではテポドン2号の改良型「銀河2号(Galaxie-2)」を発射。しかし第3段エンジンが不発に終わり、太平洋に丸ごと堕ちました。

満を持して臨んだ昨年4月の第4回実験では最新型「銀河3号(Unha-3)」に衛星「光明星」を積んで打ち上げたものの「軌道に達せず」、海に墜落

でも昨年12月12日に行われた銀河3号打ち上げ実験はまずまずの成功を収め、スペック・性能的にも危うい存在となってきました。
 

公式発表通り正しいと外部から確認がとれたわけではないのですが、銀河3号は3段式で、銀河2号のデザインがベースになっており、寸法は全長約105フィート(32m)、直径約8フィート(2.4m)であることは確かな情報です。第1段エンジンは燃料8万kg、第2段は同7000kg。最終ステージで重量220ポンド(100kg)の衛星「光明星3号(Kwangmyongsong-3)」を極軌道に乗せました(北朝鮮初の人工衛星軌道投入)が、たちまち制御不能となります。


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銀河3号は従来のと違って、第3段でもっと大量に燃料を搭載しています。それもあって打ち上げでは日本上空通過を避け、南方に向かって飛ばしてるんですね...。ともあれ気になる射程ですが、これは1万km―ちょうど平壌からロサンゼルスまでの距離に相当します(昔の地図が参考になる)。


...しかしブレインがない


「ばっちり届くじゃん!」―そ、そうなのだけど、パニックするには及びません。北朝鮮には核兵器もある、長距離弾道ミサイルもある、でもこの2つを掛け合わせる力はまだまだないので。

弾道ミサイルに積めるぐらい小型化した核兵器が造れるようになるのは何年も先だし、ちゃんと的に当たる確信をもってミサイル発射できるようになるのはさらに何年も先の話です。

技術力の差に加え、もっと大きいのは最大貿易相手国であり唯一協調関係にある大国・中国の反対。中国を怒らせたら国際社会でますます孤立するだろうし、 やられたら米国だって潰すまでやり返す、壊滅的です。

たとえ数年(数十年ということはない)でLAまで核搭載ミサイル飛ばせる能力がついてしまったとしても、飛ばせないものは飛ばせないし、飛ばしちゃいけないものは飛ばしちゃいけない、能力とそれは分けて考えないと。世界一不安定で必死な国でもそれぐらいの分別はつくはずです。


Andrew Tarantola and Brian Barrett(原文/satomi)