大きな感動を呼んだ、第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)第2ラウンドの日本対台湾(チャイニーズタイペイ)戦。3月8日、東京ドームにて行われたこの試合は激戦の延長ゲームの末、日本が4対3で勝利したが、誰もが認める名勝負であったことは言うまでもない。試合終了後、日本を称えるコメントを残し謙虚な姿勢を貫く台湾チームの監督や選手たちだったが、日本の野球ファンにも誠意を持って接していたようだ。台湾メディアが伝えた。

 日刊紙「自由時報(ザ・リバティ・タイムス)」は、「WBC台湾対日本戦で見せた、台湾チーム選手たちの素晴らしい闘志は、台湾人だけでなく日本の人々も感動させたらしい」とし、10日朝に東京のホテルからチェックアウトする選手たちの様子を報道。「ロビーにはたくさんのファンが集まり、なんと日本人が一番多かった。日本のファンは台湾選手に応援と感謝の気持ちを伝え、サインや記念撮影をリクエスト。その姿はまるで台湾人ファンと同じように熱心で、選手たちは驚きつつも喜びであふれていた」と紹介している。

 続けて自由時報は選手の声も掲載。「僕は東京で1打席しか立たなかったのに、日本のファンが応援してくれた!」と驚いたのは林益全内野手で、「日本のファンはとても素直で、野球が大好き。僕たちが誰なのか知って集まっているのかと不思議だったが、本当に知ってくれていた。台湾と日本の試合は素晴らしかったとか、また試合が見たいとか言ってくださった。そういった励ましをもらうと、もっと頑張って多くのみなさんに感動を与えたい気持ちになりました」と語っていたという。また王鏡銘投手は、「対戦日とチャイニーズタイペイというチーム名をボールに書いてほしい、と日本のファンにリクエストされました。良い試合に国籍は関係ないと実感しましたし、すべての野球ファンに感謝したい。みなさんの応援が、僕が頑張り続けるパワーになる」と語ったそうだ。

 ひたすら謙虚でスポーツマン精神にあふれている台湾の選手たちは、日本のファンに感謝した。自身のチームに戻ってからの活躍を願いたいものだ。第3回WBCの日台戦は、歴史に刻まれ伝説の名勝負として、今後も語り継がれていくだろう。(編集担当:饒波貴子・黄珮君)