ホラーへのオマージュに満ちた大胆なちゃぶ台返し『キャビン』 写真:(C)2011 LIONS GATE FILMS INC.ALL RIGHTS RESERVED

写真拡大

『LOST』脚本家のドリュー・ゴダードが監督・脚本を務め、『トイ・ストーリー』の脚本や大ヒット作品『アベンジャーズ』の監督で知られるジョス・ウェドンが共同脚本を務めた『キャビン』。すでにただならぬ匂いがしているが物語の入口はいたって"普通"だ。

5人の若者が週末のバカンスを楽しみに古びた山小屋を訪れる。そこにある地下室に誘われるようにおりた若者たちはとある本の呪文を読んでしまったためにこの世の存在ではない何かに襲われることになる...。そう、若者がバカンスを楽しみに田舎に行くと一人ずつ殺されるという『死霊のはらわた』(5月にリメイク版日本公開)や『13日の金曜日』を代表にしたアメリカンホラーの使い古された王道脚本なのだ。

しかし、作品の冒頭から謎の組織が現れ、何かを監視しているようなそぶりを見せる。本国での公開時のキャッチコピーが「You think you know the story.」=「いつもの物語だと思っているだろう?」となっているようにここからドリュー・ゴダードとジョス・ウェドンの捻りを効かせた脚本が同時に並走する仕掛けだ。

『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワースが演じる筋肉自慢を筆頭に、5人の若者が奮闘。金髪美女のビッチ、処女でウブな娘、ガリ勉くんと薬中バカ。これも今までのホラーを踏襲している布石になっているのがまた楽しい。しっかりとキャラクターが振り分けられていて、それぞれに果たすべき役割が与えられているのだ。さらにはリチャード・ジェンキンスにブラッドリー・ウィットフォードと演技に定評がある彼らもノリノリで魅せてくれる。

しかしこれ以上はネタバレ回避のため作品には触れられないのが辛いところ。山小屋から世界規模の話しへと展開し、とにかくホラーなのかコメディなのか、この大胆なる発想の脚本に戸惑う観客も出てくるかとは思うが、そこはもう笑っておくが吉。全てのホラー映画(もちろんJホラー含む)にオマージュをささげつつも大胆すぎるちゃぶ台返しを繰り広げる物語に身も心も委ねるのだ。『キャビン』はあなたの想像をはるかに超えた阿鼻叫喚のラストへと連れていってくれるであろう。

映画『キャビン』はシネマサンシャイン池袋ほか全国公開中




オフィシャルサイト / twitter / Facebook

「キャビン」
ストーリー:5人の若者が人里離れた山小屋へバカンスに行くが訪れる。だが実は謎の組織に行動を監視されており、巻き起こる恐怖の全てがコントロールされていた。そうとは知らず一人ずつ命を落としていく若者たちだったが...
監督: ドリュー・ゴダード
キャスト: クリステン・コノリー、クリス・ヘムズワース ほか
上映時間: 95分
2012年/アメリカ