ミャンマーの”人工首都”「ネピドー」を見た!--遷都の理由は依然「?」

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前回は、ミャンマー最大の都市「ヤンゴン」について書いた。

今回、首都「ネピドー」の話に入る前に、ミャンマーの経済状況について少し触れたい。

日本の企業が今、ミャンマーに大挙して押し寄せているのはなぜか? それは、生産地・市場の両面で魅力的だからだ。

バングラデシュと並びアジア最安の賃金であると同時に、6,000万人という現在の人口は、経済発展が進めば軽く1億人は超すと言われている。

現在、日本政府と大手商社が、ミャンマー近郊のティラワという場所に工業団地の整備を進めている。

「日本の企業は、お膳立てが全てそろわないとなかなか動かない」、「日本企業はNATO(Not Action Talk Only)だ」という話を現地で何度も聞いた。

実際ティラワに行ってみると、道路整備や水・電気などもまさにこれからという状況だった。

ところが、ここに果敢に打って出ているのが中国企業だ。

ティラワのすぐ近くに中国の民間企業が自前で縫製工場を建設しているという。

韓国企業にしても、「彼らは全財産を処分して、退路を断ってこっちに来ている。

だから現地従業員にも強く出るみたいで、評判がよくない。

生ぬるい日本企業と全く違う」と、ミャンマーにいる日本人が話していた。

ミャンマーは2015年に選挙を控えていて、軍人出身のテイン・セイン大統領は、少しでも経済的成果を出したいという思惑がある。

そうでなければ、アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主同盟(NLD)に政権を奪取されるという危惧があるからだ。

といっても、日本で思うほど、スーチー氏への支持が高いという印象も受けなかった。

なぜだろうか。

その答えとして、「スーチー氏の口からは、民主化と自由しか出てこない」とある人が言っていた事が挙げられる。

政権を担うことになったとき具体的にどのような政策を打ち出してくるのかが「見えない」、つまり政権運営能力が不明ということだ。

だからといって、これまでの軍事政権時代が良かったかといえば、もちろんそうではない。

ただ、軍の後ろ盾があるとはいえ、西側諸国との雪解けを進め、経済を前進させた、現テイン・セイン政権のほうが政治的には安定しているという見方もできるのだ。

ヤンゴン市内では、現政権が進めた実績ともいえる経済発展の様子も目の当たりにすることもできる。

例えば、ヤンゴン市内に数軒あるショッピングセンターの一つに行ってみた。

すると、日本では100円均一ショップでお馴染みの「ダイソー」の店舗もあり、また、資生堂などの化粧品、サムスンの大型冷蔵庫、最新のスマートフォンなどが売られている。

つまり、一部には、こうした商品を買うことができる富裕層がいるということだ。

富裕層の代表ともいえる存在がいわゆる「政商」。

軍事政権時代から、政府と癒着して事業を拡大してきた勢力だ。

例えば、少し前まで「錬金術」とでも呼びたくなるような実態があったと聞いた。

昨年まで、外国から中古車を輸入するには政府の許可が必要で、政府は輸入車の台数を限定して、意図的に高値で取引されるように誘導。

200万円で輸入した中古の高級日本車が、2000万円で取引されていたという。

台所事情が厳しいミャンマー政府は、政商に輸入権利を与える代わりに、莫大な利益の一部をバックさせて公共事業費に当てていたというわけだ。

ただ、国が発展していく中で、国家と資本家の癒着というのは、ミャンマーに限った話ではない。

明治政府から国有財産の払い下げを受け、巨万の富を築いた某財閥とも重なる。

そうした相手と日本企業が、どのようにビジネスを進めていくのかが大きな課題といえるだろう。

さて、ネピドーである。