『考える生き方』は、ネット界で尊敬を集めるブロガー・finalvent氏の第1作。自身の人生を「からっぽだった」「失敗だった」と吐露する稀有なスタンスが多くの人の共感を呼び、人生の「むなしさ」と苦難を受け止めるヒントになる内容として話題となっている。この連載ではその「はじめに」と、「おわりに」の代わりとして小冊子「KEI」書かれたエッセイを紹介する。

 『考える生き方』という本を書いた。

 誰の言葉か忘れたが、「人は誰でも自分の人生について一冊の本を書くことができる」という。55歳になったとき、自分は自分の人生について一冊の本が書けるだろうかと思った。そのときは書こうという意欲はなかった。

 ブログを10年近く書いてきて、いちおう有名ブロガーにもなったが、好き勝手な雑文を書いていたにすぎない。まとまって自分のことを書いたことはなかった。
 書いても意味がないように思えた。自分には社会的な名声もない。これといって業績もない。人生の失敗者の部類である。空っぽな人生と言ってもいい。

 でももしかすると、と思った。空っぽで失敗の人生が、案外そのまま一冊の本になるかもしれない。無名の人の、どってことのない人生の自分語りというのも、案外ありかもしれない。そういう本があれば自分も読んだ気がする。
 そう考えると何か書けそうな気がして、そのうち書いてみたい気持ちに変わった。ブログで書かなかった自分の生活に近い分をまとめてみようか。

 特になんにもない人生、失敗した人生、挫折ばかりの人生。
 それって、けっこうよくある人生である。
 そのわりに、失敗した人の人生を書いた人はあまりないだろう。失敗した人生を生きるのもそれなりに大変だったのに。
 それで書いてみた。

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