金や白金、レアメタルなど。都市鉱山の現状は?




「都市鉱山」という言葉を皆さんも聞いたことがあるでしょう。都市でゴミとして出される家電、パソコン、携帯電話などを、金や白金、レアメタルなどの有用な資源を取り出すための「鉱山」と見立てた言葉です。数年前はともかく、現在はあまり聞かなくなっていますが、その現状はどうなっているのでしょうか。



『パソコン回収.com』を運営し、リサイクル作業を生業にされている株式会社アールキューブ、代表取締役社長の松永康利さんにお話を伺いました。





■リサイクルは分業で行う!



――「都市鉱山」という言葉が一時ほどいわれなくなっていると思いますが、現状はどうなっているのでしょうか。うまくいっているのでしょうか?



松永社長 日本のリサイクルはとても高度な技術を持っていまして、それは今も皆さんの知らないところで進んでいますよ。また新しいリサイクル用の法案が整備準備中です。



――そうなんですか?



松永社長 はい。「小型家電リサイクル法」が準備中ですね。これには携帯電話も含まれています。家電、パソコンと、リサイクルのための法整備は進んでいます。



――パソコン回収.comのサイトを拝見しますと、明確に「資源化」を打ち出されていますが、金属類などを取り出すためのプラントなどをお持ちなのでしょうか。



松永社長 いえいえ。そこは分業なんですよ。実際に炉や王水で溶かして……といった作業はそれを専門に行う会社さんがあるわけです。例えば、大手非鉄金属メーカーさんなどですね。



そこにはその会社にしかない独自の「抽出技術」があるわけです。回収から抽出まで一貫でやっているところはほとんどないでしょう。



――なるほど分業になっているのですか。



松永社長 私たちは、パソコンを回収して、それをまず分別します。型落ちが著しくないものについては再整備してリユースに耐えるものにします。



――それは、いわゆる中古パソコンとして再利用するということですか?



松永社長 はい。リユースに耐えられないものは資源として利用できるようにします。分別、分解、仕分けの工程ですね。ただ単にシュレッダーで粉々にしてしまうようなことをしても、実はリサイクルでは使えないんですよ。



――え、それではダメなんですか?



■リサイクルには分別過程がとても大事!



松永社長 はい。皆さん、誤解されているかもしれませんが、実は再資源化のためには人海戦術で「分別」をしなければならないんですよ。



例えばですね、マザーボード一つとっても、ここから金などの資源を取り出すためには、次の工程で使いやすいように分けることが必要です。弊社ではマザーボードは3〜4種類に分別しています。このような分別などを行って、初めて資源を取り出す会社さんに納品、買っていただけるわけです。



――なるほど。パソコン以外ではどのようなものを手掛けているのですか?



松永社長 基本的にはパソコンメインですが、デジカメやエレキギター、電話、電子レンジなども回収していますよ。皆さんは驚かれるかもしれませんが、ケーブルなども回収します。銅が取れますので。



――銅。なるほど。毎月どのくらいの量のパソコンを集めるのですか?



松永社長 弊社ですと、毎月3万台くらいのパソコンを回収します。



――それを分別、分解、仕分けして「資源抽出会社」に販売されるわけですね?



松永社長 そうですね。



――どのくらいの量の、その「資源のもと」を納品するのですか?



松永社長 そうですね。2トン車にいっぱいを複数台という感じですか。



――それを「資源抽出会社」が買い取るときの価格は変動しますか?



松永社長 はい。中身、そして質にもよりますが、相場にも影響されます。



――相場と言いますと?



松永社長 金や銅の相場です。毎日変動していますでしょ?



――えっ。買い取り価格ってその相場によっても変わるんですか?



松永社長 はい(笑)。だから大変な商売ですね。



■都市鉱山はすでに成立している!



――ここがぜひ聞きたいのですが「都市鉱山」という考え方は、現実的に成立しているのですか?



松永社長 成立していますよ。国がリサイクルのための法的整備を進めていますのと、やはり資源のない国ですから、私たちも含めてお役に立つべく頑張っていますので。



実際、海外の金鉱山では「1トン当たり5〜6gの金が採れたら採算ベースに乗る」といわれていたんですが、もうそれは達成されているんですよ(笑)。これからも、さらに効率良く資源を取り出すために努力しますよ。



――それは知りませんでした。



松永社長 「資源抽出」を行う会社の技術も、表には出ませんけど日々進歩していますし、またそこに納品する私たちのノウハウも進歩しています。分業がうまく働いて、おそらく世界最高レベルのリサイクル技術だと思いますね。



――なるほど。リサイクル過程の各パートがノウハウの塊なんですね。御社の担当パートでは何が一番難しいですか?



松永社長 ハードディスクなどの個人情報を外に流出させず、完全に消去することです。このためにとても神経を使います。少しでも漏れたら終わりですから。これもやっぱりノウハウなんですよ。



――この仕事の面白い点はどんなことですか?



松永社長 そうですね。資源のない日本という国のために少しは役に立っているのかなという自負、それに環境に負荷をかけないようにしているという気持ちでしょうか。自己満足かもしれませんが。



日本のリサイクル事業は深く静かに、しかし着実に進展していることが、取材に行って分かりました。これはスゴイことですよ!





(高橋モータース@dcp)



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