安眠のコツを専門家に聞いてきました!



3月11日から春の睡眠健康週間が始まります。しかし、最近は夜にぐっすり眠れないという人が非常に多くなっているそう。では、どのようにすればしっかりと睡眠が取れるようになるのでしょうか?



睡眠総合ケアクリニック代々木の理事長・井上雄一さんにお話を伺ってきました。



■若者の眠れない原因のほとんどはリズムの乱れ



――「ストレスが原因でよく眠れない」なんて話を聞きますが、どうなのでしょうか?



井上さん ストレスで眠れないことももちろんありますが、若い人の場合だと「生活習慣が悪い」ことが原因で眠れないというケースが多いようです。



――根本的な部分が問題なのですね。



井上さん 多いのが、学生時代に極端に夜型の生活を送った人が社会人になり、早起きをする朝型の生活に適応できないでいるパターンです。



――体がずっと夜型のリズムのまま、戻らないということですか。

井上さん そうです。あまりにも生活パターンが夜型化しすぎてしまっているんです。これには、夜間でも娯楽が多いことが影響しています。テレビにラジオ、インターネットなど、深夜には本当に娯楽が多い上に、これらはいつでも楽しむことができますから、ズルズルと夜更かししてしまう。これではだめです。



――私も、ベッドで横になっていてもスマートフォンなどですぐにネットをしたりしてしまいます。



井上さん 液晶のディスプレイを見ると交感神経の活動が高まり目がさえてしまいます。これでは眠れなくなって当然ですし、生活リズムもどんどん狂ってしまいます。そうなると朝起きられなくなり、起きても「眠い」「ダルい」など意欲が湧かなくなってしまう。全身倦怠感と意欲低下から社会不適応気味になってしまうケースも多くなっていますよ。



■朝型の生活でリズムを整える



――夜、ぐっすりと眠るにはどんなことを気を付けるといいでしょうか?



井上さん まず夜型の人は生活リズムを変えないとだめです。夜型生活から朝型生活に切り替える。夜できること、夜にしていることを少しでも朝に回すなど、夜の活動を減らすようにするといいです。例えば、部屋の片付けや、女性ならアイロンがけとか。これって朝でもできますよね? とにかく夜早めに眠って、早起きして行動する。これが大事です。



――なるほど。



井上さん 次に、布団に入る1時間前、最低でも30分前には携帯電話などの液晶を見ないようにする。先に述べたように、液晶のディスプレイを見ると交感神経が高まり目がさえてしまいますから。



――若い人には難しいことかもしれないですけど、睡眠のためにガマンですね。



井上さん 電気をつけたままじゃないと寝られないという人もいますが、あれもやめた方がいいですね。50ルクス以上の光は睡眠を壊します。あと、テレビやラジオのつけっぱなしもいけません。光と同じく、音も睡眠を壊します。どうしても電気つけっぱなし、テレビつけっぱなしでないと眠れない人は、タイマーで消えるようにするなど工夫をした方がいいです。



――つけっぱなしで寝て、「眠れない……」ではなく、ちゃんと寝る工夫をしないとだめということですね。



井上さん あと、お酒を飲んで眠るのもやめた方がいいです。夜間後半の眠りが浅くなりますし、アルコールに頼った睡眠を繰り返していると、アルコール性の睡眠障害も起こります。そのうちアルコール依存症の問題も出てきますね。



――眠れないときは深酒をする、という人は要注意です。



■休日は寝すぎない!



――休みの日に「寝だめ」をする人もかなりいると思うのですが……



井上さん それはリズムが崩れる原因となります。明日は休みだから、といって夜更かしをしたり、昼過ぎまでずっと寝ていたりすると、休日の夜に寝られなくなってしまう。すると月曜日からまたボーッとしてしまう。これではだめですよね。



――ではどうすればいいのでしょうか?



井上さん 普段の生活で起きる時間よりも、少なくとも2時間以上遅く起きないようにするといいです。寝不足の分、たくさん寝てもいいですけど、起きる時間だけはちゃんと守る。これが大事です。そうしないと睡眠-覚醒のリズムがどんどん狂ってしまいます。



――私も寝だめしてしまうので気を付けたいと思います……。寝る際に活用できる快眠グッズなどはどうでしょうか?



井上さん 快眠グッズもいいと思うのですが、まずは生身の体を十分に使いこなして睡眠を取り戻すことが一番大事です。安易にグッズに頼るのではなく、ちゃんと朝起きて太陽の光を浴び、夜はベッドの中で携帯を見たりしないでしっかり寝る。若い人の不眠症は不摂生が原因のものが多いですから。



――地道に体のリズムを正常なものに戻すことが一番大事なんですね。



井上さん 「快眠に王道なし!」「快眠は一日にしてならず」です。地道ですけど、生活の上での必要事項を一つ一つ守っていく、これが本当に大事なことなんです。普段不摂生な生活を送っていて、いきなり快眠を望んでも難しいものです。眠れないという人は、まずは生活スタイルを見直してもらいたいですね。



眠れないときに処方される睡眠導入剤なども、生活リズムが狂っている人には高い効果はないそうです。やはり大事なのは正しい生活のリズム。「生活リズムがメチャクチャだなぁ……」という人は、この睡眠健康週間を機会に生活スケジュールを見直してみて、少しずつリズムを戻してみてはいかがですか?



(貫井康徳@dcp)



【睡眠総合ケアクリニック代々木HP】

http://www.somnology.com/