知っていますか? 大学受験のシステムの変遷




そろそろ合格発表のシーズンですが、受験生の皆さん、お疲れさまでした。「受験」は人生の中でもかなりの試練ではないでしょうか。この試練は大学受験を志す人に等しく訪れるものです。しかし、世代によって試練の「課され方」に違いがあります。「共通一次」だった人、「センター試験」だった人、また古くは「一期校・二期校」だった人……。



文部省が定めてきたこれら「受験システム」について紹介します。



■1947年の「教育基本法」からスタート!



そもそもの始まりは1947年(昭和22年)に「教育基本法」が制定されたことです。これによって、戦前からあった高等教育機関、例えば「旧制高校」「師範学校」などの統合・改編が起こります。そして4年制の「新制大学」ができます。



1949年(昭和24年)には文部省は新生・新制国立大学69校を定めました。ここからが今につながる「大学受験システム」の始まりです。



これら新しい国立大学ができたのが5月だったため、仕方がないので初年度の受験は6月に行われました。当時の受験生は大慌てだったでしょう。



■1949年開始! 一期校、二期校の時代



さて、このできたてホヤホヤの国立大学は「一期校」と「二期校」というグループに分けられていました。一期校に属する大学の試験に落ちても、二期校に属する大学で受かればいいわけで、国立大学に合格するチャンスが二度あったのです。



一期校の試験が3月上旬に行われ、その合格発表後に二期校の試験が実施されるというシステムでした(公立大学は独自日程で3月に入学試験を実施)。ちなみに初年度は、前述のとおり新・国立大学ができたのが5月でしたので、一期校の試験が6月上旬、二期校の試験が6月中旬というドタバタでした。



この「一期校、二期校システム」は1949年(昭和24年)から1978年(昭和53年)まで、30年間続きました。



■一期校、二期校システムの反省! 難問・奇問!?



30年間続いた「一期校、二期校システム」ですが、これについてはいろんな批判が起こりました。「一期校、二期校の分け方がよくない」「二期校に志願していた受験生の入学辞退者が多い」などの意見です。ちなみに「東京大学」「京都大学」「大阪大学」「一橋大学」などは一期校でした。



また、試験問題にも問題があったようです。



文部省の資料によれば「各大学が独自に入試を行っていたこともあって、学力検査において、高等学校教育の程度や範囲を超えたいわゆる難問・奇問の出題が少なくなかった」としています。どんな問題が出たのでしょうね(笑)。



■1979年「共通第一次学力試験」開始!



というわけで――入学者選抜のため国公立大学の志願者には共通のテストを課そうということになり、1979年、昭和54年度から「共通第一次学力試験」が開始されました。いわゆる「共通一次」というものですね。



国公立大学を志願する受験生は全員このテストを受けないといけませんでした。



●1979年(昭和54年)-1986年(昭和61年)



国語、数学、理科2科目、社会2科目、外国語:5教科7科目

(理科2科目、社会2科目は選択制)

1,000点満点



受験生は自分の試験結果に基づいて、国公立大学を1校選択して、その大学の実施する二次試験を受験するというシステムでした。つまり、この時期は一発勝負だったわけです。



●1987年(昭和62年)-1989年(平成元年)



国語、数学、理科、社会、外国語:5教科5科目

800点満点



受験生は自分の試験結果に基づいて、グループ分けされた国公立大学のうち複数の大学に志願することができました。



■1990年「大学入試センター試験」開始!



次に実施されるようになったのが、現在も続いている「大学入学者選抜大学入試センター試験」、いわゆる「センター試験」です。



1985年(昭和60年)、臨時教育審議会で新しいテストを創ることが提唱されました。これは、「偏差値重視」による受験戦争の過熱に対応しようというものでした。人間を多面的に評価して、入学者を選抜するために、「各大学がテスト結果を自由に利用できるように」と文部省は説明しています。



この理念の下、1990年(平成2年)から実施されています。この最初の年には、すべての国公立大学のほか、私立大学でも16大学19学部が参加しました。受験者数は約43万人だったそうです。



試験教科は現在では以下のようになっています。



●国語、数学、外国語、理科、地理歴史、公民



各大学で「この教科、この科目を受験してね」と指定できるので、志願者は自分の受験する大学によってどの試験を受けるかを決めます。多くの国公立大学の場合、5教科7科目、あるいは6教科7科目で950点満点が多いようです。



平成25年度の大学入試センター試験の受験者は573,344人。対前年度で17,807人増です。



*……大学入試センターの「平成25年度大学入試センター試験の志願者数(確定)について」によります。



受験システムの変遷、いかがだったでしょうか。あなたはどのシステムで大学受験をしましたか?



(高橋モータース@dcp)





⇒文部省の「学制百二十年史編集委員会」の共通第一次学力試験の項目

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1318393.htm





⇒文部省の「学制百二十年史編集委員会」の大学入試センター試験への移行

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1318394.htm





⇒大学入試センターの「平成25年度大学入試センター試験の志願者数(確定)について」

http://www.dnc.ac.jp/modules/news/content0510.html





※文部科学省は当時の文部省の呼び名で統一しています。