「日本からの食品がどのくらい放射性物質に汚染されているか」ドイツメディアの特集記事

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バイエルン放送の特集「フクシマから2年」

東日本大震災による福島第一原発事故からもうすぐ2年。当時、大量の放射性物質が空気中へ、数百万リットルの汚染水が海へと流された。海外では今でも日本からの食品の安全性を問う声が聞こえる。

事故後の2011年6月、フランスへと輸出された静岡のお茶から基準値を超える(2倍以上)のセシウムが測定されたことがあった。

ドイツ公共放送局のバイエルン放送(Bayerischer Rundfunk)は4日、「フクシマから2年」と題した記事で、「日本からの食品がどのくらい放射性物質に汚染されているか」という特集を組んだ。

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輸入食品へのランダムテスト

ドイツに入ってくる日本食品はそんなに多くはない。それでも、消費者センターや保健当局には、「日本からの食品は安全か」の問い合わせが後を絶たないそうだ。

ドイツでは食品管理に関しては各州の責任で行っている。例えば、ハンブルクの港では、10%のランダムテストが行われ、2012年11月からは5%の輸入食品に対して実施されている。これまでのところ、ドイツでは放射性物質は検出されていない。

NGOによるセシウム検査

1986年のチェルノブイリ事故後に、ミュンヘンに設立された環境保護NGOのミュンヘン環境研究所(Umweltinstitut München)は独自に6食品に対し、放射性セシウム検査を行った。

その結果、緑茶ではキログラム当たりの規制最大値100ベクレルに対し、1.1ベクレル検出された。お米では、キログラム当たり0.16ベクレルが、みそからもセシウムが検出されたということだ。

しょうゆとのり、わかめからは、検出されなかった。ミュンヘン環境研究所のクリスティーナ・ハッカー氏は

放射線物質は体内に蓄積される

だが、今年1月、福島第一原発の港湾内で捕獲された「ムラソイ」という魚から、これまでで最高となるキログラム当たり25万4000ベクレルの放射性セシウムが検出されたことが報じられた。

これは、国の食品基準値の2540倍である。これまでの最高値は福島第一原発から20キロ離れた海域で捕獲された「アイナメ」で、キログラム当たり2万5800ベクレル。

欧州では、欧州委員会の指針のもと、日本からの食品は厳しくコントロールされている。しかし、日本国内においては、今後も「ムラソイ」のように高い放射性物質をためこんだ動植物が見つかることが予想される。

▼外部リンク

ドイツ公共放送局のバイエルン放送
http://www.br.de/bayerisches-fernsehen/

ハンブルク消費者センター(Verbraucherzentrale Hamburg e.V.)
http://www.vzhh.de/

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