宴会前はトランプをしてみんなが来るのを待ちます。みんな時間守りません。 大富豪のような遊びがとても流行っており、これが一緒にできれば大人気者です

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湖南省の中南大学大学院在籍中に邱永漢氏と出会い、卒業を待たず、2005年から氏が亡くなる2012年5月16日まで秘書として中国ビジネスと中国株を直接学んだ上田尾氏。今回は、中国の大学で法律を勉強していた時の苦労話です。

勉強から逃げて中国ビジネスを学ぶ

 中国に来て2年が過ぎ、中国語もかなり話せるようになったので、大学で中国の法律を専攻することにしました。中国で仕事をするには中国の法律を理解しておかなければ、と思ったのですが、大学の(とくに年配の)教授は湖南省の方言で講義をするので、ただでさえ難しい法律の講義なのに、外国人の私にとっては何を言っているのかまったく分からない状況で、どんな催眠術よりも効果のある呪文を毎日聞かされていました。

 法律を勉強し始めてからすぐに後悔……。こんな呪文を毎日聞いても中国の法律が分かるようになるわけはないし、呪文をマスターすれば催眠術師になれるわけでもなく、なにもかも無駄だと思うようになったある日、いいアイデアを思いつきました。

「そうだ、これから俺は勉強しないぞ! 思いっきり遊ぶぞ!」

 なぜこんなことを考えたのか……。

 法律の授業がまったく理解できないのなら、理解している友達に聞けばいい。中国の学生達はみんな一生懸命勉強して、すばらしい知識を持っているので、民法についてはこいつに、商法についてはこいつに、という具合に他人の力を借りることにしたのです。

 彼らの力を借りるには彼らと友達になればいい。そう考えて、これからはなるべく多くの友達をつくろうと決めたのです。

 ほとんどの学生は毎日勉強勉強で、たまには外国人と交流するのもいいか、と思ったのか、忙しいなかよく遊んでくれました。お酒を飲んだり、カラオケに行ったり、山に登ったり(中国の学生はなぜか山へ登るのが好き)、ほんとうに楽しい日々を過ごしていました。

 私はべつに中国の学位がほしいわけでもないし、困ったときに助けてくれる友人は一人でも多い方がいいと思い、大学時代はほとんど勉強しなかったのですが、この友達との交流が後々に中国でのビジネスに大きく生かされることになったのです。

 お酒を酌み交わしながら心を開いて交流する、というのは、中国ビジネスにおいて実務以上に大事な仕事です。中国で外国人が中途半端な法律の知識を持っていても、仕事は取れません。しかし流暢な中国語を話し、中国式のお酒の飲み方や中国人が好きな話し方を知っていれば、相手にとても深い印象を与え、場を盛り上げることができるのです。

 こうなればしめたもので、また「あの日本人を呼ぼう!」と誘ってくれるようになります。そうやってよい関係を築いていけば、仕事が非常にやりやすくなるのです。

 中国ビジネスでは「関係」が非常に重要で、不動産開発などの仕事であれば政府との「関係」がなければまったく話になりません。具体的な実務は地元の中国人スタッフが行うとしても、そのきっかけをつくり、より一層深い「関係」になるために私は重宝されているようです。

 とくに、今私がいる安徽省はあまり外国人がいないので、もの珍しさもあってかなり深い印象を相手に与えることができるのです

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