名古屋学院大学・災害復興支援チームあすなろが取り組む、 宮城の在宅避難者のための憩いの場「名古屋カフェ」

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津波で多くの人が家や仕事を失い避難生活を送る中、未だに東日本大震災以前のコミュニティを取り戻せない地域は多い。「名古屋学院大学・災害復興支援チームあすなろ」は早くからそうした場所で避難者をサポートしてきたグループのひとつ。大震災から2ヵ月が経過した2011年5月に、被災地の長期的な支援を目的として設立されたボランティアサークルだ。

「現在のメンバーは20名ほどで、活動場所は宮城県七ヶ浜町や仙台市。みんな授業があるので、基本的に毎週1名を派遣し、現地のNPOとともにその時々のニーズに合った活動をしています」と話してくれたのは、代表を務める経済学部3年の竹内貴幸さん。少人数でも継続して現地に通うことで、ボランティアや避難者と顔の見える関係を築いてきた。

彼らが現地で行っている代表的な活動が、七ヶ浜町での「名古屋カフェ」。仮設住宅の入居者に比べ、民間アパートに移り住んだり、親戚の家などに一時避難した人々には行政の支援が行き届きにくい。そうしたいわゆる「在宅避難者」を対象に、コミュニティの再形成を促す場として催す無料喫茶イベントだ。名古屋名物のきしめんをみんなで食べたり、雛人形をかたどったろうそく作りなど、毎回さまざまに趣向がこらされる。

「交流の中で、在宅避難者の生活の悩みや必要な支援の聞き取り調査を実施。集計結果をもとにボランティアや行政へ提言を行ったり、名古屋に持ち帰り、大学周辺の防災イベントなどで報告をしています」(竹内さん)。

もうひとつは「プランタープロジェクト」。七ヶ浜町と名古屋市熱田区の両幼稚園に同じプランターを設置し、花を育てながら幼稚園同士が定期的な交流ができるようにサポートしている。
こうした活動を通じて目指すものは「お金や物資ではなく、学生だからこそできる寄り添う支援」だ。竹内さん自身、初参加の「名古屋カフェ」で再会した人々が手を取り合って喜んでいた様子や、クイズ大会で楽しそうに笑ったり、涙ぐんだりしていたおばあちゃんの姿が今も忘れられない。

「被災地の方はたぶん、ずっと『ありがとう』と言ってばかりですよね。だから昨秋は大学行事で仙台名物のずんだ餅を出そうと、お願いして作り方を教えてもらいました。今度は僕らが『ありがとう』を言いたかった」(竹内さん)。

「災害復興支援チームあすなろ」の活動のもうひとつの柱が、ボランティア情報誌の制作だ。2011年の時点ですでに震災報道が減っている中、被災者の生の声を自ら発信する必要性を感じたのがきっかけとなった。2012年2月に「あすなろVol.1」を発行。宮城県七ヶ浜町をメインに取材活動を行い、震災直後の写真や当時の状況のインタビュー、災害ボランティアに関する公演記録などを盛り込み、名古屋学院大学内や、NPO団体事務所などで配布を行った。

そして1年後の今年2月に第2号を発行。前号よりもより多くの人たちに手に取ってもらうため、現在「あすなろVol.2」を置く場所を提供してくれる施設や企業、団体などを広く募集している。
「Vol.2では、実際に行かなければ見られない現在の被災地の写真や、現地の人へのインタビューなどを掲載しています。震災から年月が経っても、人々の大切な暮らしが戻っていない現実を知ってもらいたい。震災を風化させないためにも、たくさんの人に手に取ってもらえれば幸いです!」(竹内さん)