”妻は夫と寝たくない”が学術的に証明--無理に同室を続けると恐ろしい事に

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結婚して、一緒に生活を始めようとして気づく悩み。

それは寝室をどうするかという問題。

夫婦だから一緒の部屋で寝るべきか。

それとも、寝るときくらい別々の部屋でプライバシーを保つべきか。

一緒に寝るとしても、同じベッドなのか、それとも別々のベッドなのか。

あらためて考え出すと、どうしようって思いますよね。

マイナビニュース会員向けに行ったアンケート調査の結果、夫と妻で寝室をどうするかという問題に温度差があることがわかりました。

例えば、妻と寝室が「一緒」と答えた男性は、「夫婦だから当然」「別にする理由がない」というような回答がほとんどで深く考えずに同じ寝室で寝るという選択をしています。

その一方で女性は、部屋の狭さや間取りの制約上の問題から「仕方なく」一緒の寝室で寝ており、夫の寝言や寝息、いびきなどに対して不満もみられました。

果たして、夫婦は寝室をどうするべきなのでしょうか。

これまで、夫婦の寝室をどうするべきかという問題に関しては、住居を設計する建築の分野でもほとんど研究されていません。

しかしながら数少ないながらもその研究結果を見ていくと、夫以上に妻のほうが同じ寝室で寝たくないと考えていることが明らかになっています。

同室での就寝を希望する夫婦は、夫婦間のコミュニケーションが持てるからという意見であるのに対し、別室を希望する場合はパートナーのいびきや寝相で安眠が妨げられるからだという理由でした。

つまり、マイナビニュースの調査結果も、これまでの学術的な研究も一貫して、妻は夫とはあまり一緒に寝たがらない傾向があり、それは安眠が阻害されるからだということを明らかにしています。

実は先月、カリフォルニア大学バークレー校の大学院生エイミー・ゴードン氏が興味深い報告をThe Society for Personality and Social Psychologyの年次大会で行いました。

その内容は、「ひとは睡眠不足の状態になると、恋人への感謝の気持ちが薄らぎ」、同時に「恋人から自分は感謝されていないという気持ちにもなる」というものでした。

つまり、睡眠不足の状態に陥ることによって、相手への気持ちが冷めるだけでしなく、パートナーからの自分に対する愛も疑ってしまう可能性を意味しています。

睡眠不足がメンタルヘルスに悪影響を及ぼすという報告は数多くあることから、決して軽く見てはいけない問題なのです。

夫婦だからといって、同じタイミングで就寝できるわけでありません。

先に寝付いた人は気になりませんが、寝そびれた人は寝相やいびきに悩まされ、結果的に寝不足になり、イライラが募ってしまうわけです。

確かに寝室は、夫婦二人っきりになれるコミュニケーションの場としては絶好の場所です。

けれども、就寝前のおしゃべりは睡眠時間を減らせてしまいます。

夫婦円満の秘訣は、コミュニケーションは食事の時間などに譲るとして、寝室は別々というのがいいかもしれません。

平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。

2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。

国際日本文化研究センター講師や京都大学中核機関研究員などを歴任。

専門は、化粧心理学や化粧文化論など。

よそおいに関する研究で日本文化を解き明かしている。

大学では魅力をテーマに恋愛心理学も担当。

NTV『所さんの目がテン! 』、CX『めざましどようび』、NHK『極める 中越典子の京美人学』など番組出演も多数。

主著『化粧にみる日本文化』は関西大学入試問題に採用されるなど、研究者以外にも反響を呼んだ。