美味しいお江戸料理が目に浮かぶ!女料理人物語『みをつくし料理帖』シリーズ

美しくて美味しい料理をみるのも食べるのも大好きなわたしは、人情×料理×レシピの大ヒット小説と聞いて読まずにはいられませんでした!
2011年12月号の雑誌「ダ・ヴィンチ」で「今こそ読みたい歴史・時代小説」特集で取り上げられていたこの高田郁著『みをつくし料理帖』シリーズ、現在7巻まで発売されているのをちょこちょこ集めてきました。

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18歳の澪は災害で両親を亡くし、故郷大坂を離れ、江戸の蕎麦屋「つる家」で女だてらに料理人として働くようになります。
江戸では大坂と料理の全てが違い料理は客にウケない上に、たった18歳の“女料理人”ということで更に受け入れてもらえず日々苦戦する澪。それでも江戸っ子に愛される料理を目指して奮闘します。

時代小説と言えば勧善懲悪が定番です。ただし本作は料理が主体の物語。「刀をもって悪を制す」のではなく「料理をもって敵を制す」といったところ。
ちなみにこの『みをつくし料理帖』シリーズの敵役はその名も名料理屋「登龍楼」!もう名前からして強そうです。

この「登龍楼」は「つる家」が良い感じに人気が出てくるたび嫌がらせをしてきます。読んでるこちらはもうイライラ腹が立って仕方ありませんが、そんな困難に立ち向かう澪と支えてくれる周囲の人々に涙がほろりとこぼれます。

本作は澪が一所懸命で応援したくなるのはもちろんのこと、澪を支えてくれる元奉公先の料理屋の女将の芳、常連客の小松原、つる屋の主人種市、町医者の源斉などなど、とにかく暖かくて心強い仲間がたくさん出てくるのです。

そして本作の魅力はなんといっても澪が作る美味しい江戸料理。読んでいるこちらまで幸せな気分になれる愛情いっぱいの料理達を是非一度堪能してみたいものです。
そんな気になる澪の料理ですが、巻末で物語の中に登場したレシピが紹介されています。
物語を読みながらいい具合にお腹がすいてきて、巻末でレシピが登場すると思わず作りたくなっちゃいます。そんな読者の心を読み取っているかのように昨年発売されたのが『みをつくし献立帖』です。本編では公開されなかったレシピがまとめて紹介されています。物語本編ですっかり『みをつくし料理帖』にはまってしまった人は必見です。

ちなみにわたし個人的に気になったのが澪の想い人・小松原の存在。冷たくて厳しいのに意見が的確で……最後は絶対優しい!
いわゆる“ツンデレキャラ”という存在です。この小松原の振る舞いには女性なら誰しも乙女心を引き寄せられるものがあります。
その他にも、常に優しい町医者源斉と男気あふれる又次という女性なら誰しも憧れるキャラクターも登場します。でもやっぱり……わたしは小松原。誰が好きか議論するもんでもないのでしょうが……議論したいくらい“良い男”が続々と登場します。

この『みをつくし料理帖』シリーズは北川景子主演で昨年ドラマ化もされています。残念ながらDVDは発売されていないようですが、もし見る機会があれば本と比較して見てみるのも楽しいと思います。

最新刊は『夏天の虹』です。つらくて切ない展開になっております……。物語も佳境です。まだまだ続刊中なので今後も楽しみです。

書籍概要
書籍名:みをつくし料理帖シリーズ 『八朔の雪』『花散らしの雨』『想い雲』『小夜しぐれ』『心星ひとつ』『夏天の虹』
作者:高田郁
出版社:ハルキ文庫

(文・ゆきな)