そうやって仕事をすることで、おのずと得意分野の仕事の受注が増えていくということです。

実際にフリーランスで仕事をしてみると、技術系の文書や契約書、ゲームの翻訳など、いろいろな仕事を受注します。

ジャンルを選ばずに仕事をすることで、視野を広げることができました」「実務」「出版」「映像」の翻訳3大分野のうち、契約書やマニュアルなど、ビジネスで扱われる文書を訳す実務翻訳の仕事需要が多数を占めているとのこと。

海外とのつながりが深まるいま、どのような業界にも翻訳の需要が高まっている。

学校を卒業後、トライアルに合格し、堀込さんは複数の翻訳会社に登録。

在宅フリーランスの翻訳者として新たなスタートを切った。

――翻訳者という仕事の魅力について教えてください。

堀込さん「翻訳が必要な文書は、まだ日本で紹介されていない事柄を扱うことが多いんです。

翻訳の仕事のほとんどは、調べものに費やすといってもいいくらいです。

私はインターネットを駆使して、海外の情報を収集しながら翻訳します。

知らないことを調べるたびに知識が増えますし、その業界について学ぶことがたくさんあるので、”知らないことを知る”という楽しさが魅力でしょうか。

また、この仕事はパソコンとインターネット環境さえあれば、いつでもどこでもできることも魅力です。

仕事の受注・納品はすべてメールですし、辞書もパソコンにインストールすれば、持ち運ぶ必要もありません。

昨年は子ども2人と沖縄へ1カ月間遊びに行きました。

昼は海で遊んで、仕事は夜にやればいい。

こういう働き方ができるのも翻訳者のメリットといえます」――逆に、デメリットはありますか?堀込さん「前職に比べると収入がダウンしたことでしょうか。

しかし、自分のペースで働いているので、これはしょうがないですね。

もっと仕事を増やせば収入をアップすることはできますが、ライフスタイルに合った量を維持したいと思います。

翻訳者は自分で決めればいつまでも休むことができる一方、仕事が途切れてしまう可能性もあります。

また、体調が悪いからといって、締め切りをのばすことはできません。

そういう意味では会社員をうらやましく思うこともありますが、時間に余裕ができるいまの生活のほうが幸せですね」――ほかにも、会社勤めとフリーランスの違いはありますか?堀込さん「タイムマネジメントはフリーランスにとって重要なことです。

仕事を先延ばしにしてしまうと、締め切り間近に徹夜するはめになります。

夏休みの宿題を最後の日にやる子どものようですね(笑)」――堀込さん、ありがとうございました。

自分の時間を大切にしながら働くためには、フリーランスという働き方がますます注目されそうだ。

堀込さんのようなイクメンを目指すなら、時間と場所を選ばずに仕事ができる翻訳者の道もひとつの選択肢なのかもしれない。