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日銀総裁人事が迷走している。3月19日には山口広秀、西村清彦両副総裁が、4月8日には白川方明総裁が任期を迎える……はずが、2月5日に白川総裁が任期満了前の辞任を表明した。

先の衆院選で大勝し、政権を奪回した安倍晋三首相は自らの政策「アベノミクス」を推進するうえで、日銀に対する圧力を強め、?大胆な金融緩和〞の実施を約束させた。政府は次期日銀総裁の人選と日銀法改正の2つを日銀が大胆な金融政策に踏み出すための材料に使った。

日銀とて政府機関の中核にある以上、政府の政策に携わり、協力するのは当たり前で、その点では政府の要求に対して最大限の努力と責任を持つ必要がある。日銀の?独立性〞とは、政府の政策要求を断る権利ではないことは明らかだ。

しかし、日銀に対して政治家の要求が通るようになれば、金融市場の参加者は日銀の発する情報よりも政府の要求が優先されるという事態を想定して、日銀の発信する情報やメッセージを信用しなくなる。

政権・内閣によって金融政策がコントロールされるようになると、金融政策は一貫性を失い、政権が変わるたびに大きく変化する可能性が増す。

こうしたことを避けるために?日銀の独立性〞は必要なのである。特に、財政規律の喪失とともに金融緩和が実施されれば、事実上の?マネタイゼーション(通貨を増発して国債を引き受け、政府の財政赤字を解消する)〞となる。これを避けるためにこそ、日銀の独立性は必要となる。

政府の中からは、日銀総裁の解任権を政府に付与すべきとの声も聞こえるが、?言う事を聞かない総裁は辞めさせる〞となれば、財政規律や金融政策の一貫性は保たれなくなる。

安倍政権では、政府との政策の協調性を重視して次期日銀総裁の人選を進めようとしている。下馬評では、武藤敏郎(元財務事務次官)・大和総研理事長、岩田一政(元日銀副総裁)・日本経済研究センター理事長、黒田東彦(元財務官)・アジア開発銀行総裁、伊藤隆敏・東大教授、竹中平蔵・慶應義塾大学教授などの名前が取りざたされている。

次期日銀総裁の手腕によっては、アベノミクス政策の先行き、経済・金融環境が大きく変化する可能性がある。それだけに、今後の投資に次期日銀総裁人事は大きな影響を与えることになる。



この記事は「WEBネットマネー2013年4月号」に掲載されたものです。