投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、3月4日〜3月8日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、8日に発表される米国2月の雇用統計を見極める展開となる。イタリアの政局に対する懸念は円買い材料、日銀新体制による異次元緩和期待感は円売り材料、習近平中国国家主席新体制の発足を受けた日中関係の更なる悪化は円売り材料、となる。

【中国全国人民代表大会】(5日)
 習中国国家主席体制の発足により、尖閣諸島問題を受けた日中関係の行方を見極める展開となる。日中関係悪化が更に深刻化する可能性が高まった場合は、地政学的リスク、貿易赤字拡大懸念で円売り材料となる。

【イタリア政局混迷懸念】
 イタリアの議会が召集される15日に向けて、イタリアの政局混迷が懸念されることで、リスク回避の円買いが強まることが予想される。ベルサニ民主党党首は、ベルルスコーニ前首相の中道右派との連立に否定的であることで、五つ星運動のグリッロ氏の動向を注視する展開となる。ドル・円は、リスク回避の円買いにより、上値が重い展開が予想される。

【米国2月雇用統計】(8日)
 米国2月の雇用統計の予想は、失業率が7.9%(1月7.9%)、非農業部門雇用者数は前月比+15.1万人(1月+15.7万人)となっている。予想通りならば、バーナンキFRB議長が失業率低下とみなす非農業部門雇用者数(15-20万人)の下限となることで、ドル・円は下げ渋る展開が予想される。

 米国の雇用情勢が著しく改善した場合は、連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入の早期の縮小が検討される可能性が高まることでドル買い要因、著しく悪化した場合は、資産購入金額の増額が検討される可能性が高まることで、ドル売り要因となる。

【日本2月上中旬貿易収支】(8日)
 日本の2月上旬の貿易収支は、3951.63億円の貿易赤字を記録しており、上中旬貿易赤字が拡大していた場合は、ドル買い・円売り要因となる。

 3月4日〜8日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)2月ISM非製造業景況指数 −− 5日(火)日本時間6日午前0時発表
・予想は、55.0
 同指標の1月内訳で、先行性のある「新規受注」DIは54.4←3月58.3と鈍化。「在庫」DIは低下、「受注残」DIは50を下回っており、やや低下した。新規受注の鈍化で下振れの可能性も。

○(米)2月ADP雇用統計 −− 6日(水)日本時間午後10時15分発表
・予想は、+16.2万人
 調査期間である2月12日を含む週の新規失業保険申請件数は、36.2万件←1月33.5万件と増加した。失業保険継続受給者数はやや減少したが、1月の+19.2万人ほどの増加は期待できない。

○(米)1月貿易収支 −− 7日(木)日本時間午後10時30分発表
・予想は、-430億ドル
 1月ISM製造業の内訳「輸出受注」DIは50.5←12月51.5、「輸入」DIは50.0←同51.5で、輸出拡大・輸入はいずれも低下。原油価格は下げ渋っていたことから、赤字拡大要因。12月385億ドルの赤字との比較で赤字額は増大する公算。

○(日)1月経常収支 −− 8日(金)午前8時50分発表
・予想は、-6260億円
 1月の貿易収支は-1兆6294億円となり、大幅な赤字を記録した。所得収支も減少しており、1月の経常収支は大幅な赤字となる公算。赤字額は12月の2641億円を大幅に上回る見込み。

○(米)2月雇用統計 −− 8日(金)日本時間午後10時30分発表
・予想は、非農業部門雇用者数は、+15.1万人、失業率は7.9%
 調査対象期間の2月12日を含む週の新規失業保険申請件数は36.2万件←1月33.5万件、失業保険受給総数はやや減少した。2月の非農業部門雇用者数は、1月の+16.6万人をやや下回る増加になる可能性がある。失業率は横ばいと予想される。

 主な予定は、7日(木):(日)日銀金融政策決定会合の結果判明、(米)前週分新規失業保険申請件数、8日(金):(日)10-12月期実質国内総生産改定値

【予想レンジ】
・ドル・円90円00銭〜95円00銭