あの動物も指定されている!ワシントン条約の話



3月3日に、タイのバンコクでワシントン条約の第16回締約会議が開催されます。2年ごとに開催されるこの会議。ホッキョクグマやシロサイ、アフリカゾウといった保護動物たちの規定、取引のルール変更について14日まで討議をします。





では、このワシントン条約で取引が制限されている動物や植物たち、どんな種類がいるかご存じですか? ワシントン条約について調べてみました。





■三段階に分かれているワシントン条約の附属書



ワシントン条約では、絶滅の恐れのある動物や植物を「附属書」というリストに掲載しています。附属書は「附属書1」「附属書2」「附属書3」という三種類があり、1が最も重要度が高いものです。



・附属書1

附属書1の掲載基準は「今すでに絶滅する危険性がある生き物 」です。経済産業省によると、附属書1に掲載されているのはジャイアントパンダやトラ、ゴリラといった有名な動物など約900種。商業目的の輸出入は禁止となっており、研究や学術目的の場合は、輸出国と輸入国両方の政府の許可証が必要となります。



・附属書2

附属書2には、「将来、絶滅の危険性が高くなる恐れがある生き物」が掲載されています。その数は約3万3,000種。1や3よりずば抜けて種類が多いのは、植物の掲載数が多いからで、その数約2万8,000種。動物も約5,000種と多いのですが、植物が圧倒的に多いのです。



動物はカバやケープペンギン、植物は野生のサボテン種、ラン種などです。輸出入には輸出国の政府が発行する許可書が必要です。



・附属書3

附属書3は「その生き物が生息する国が、自国の生き物を守るために国際的な協力を求めている生き物」約300種類の動植物が掲載されています。例えばカナダのセイウチ、ボリビアのオオバマホガニーといったふうに「どこの国の何という生物」という掲載がされています。



輸出入をする際は、輸出国の政府の許可書が必要となります。



ワシントン条約では、これらの3つの附属書に動植物を分けて登録・掲載しています。今回の会議では、「現在附属書2の動物を附属書1にすべきか?」といった討議が行われます。



ちなみに、動物保護のニュースなどでよく耳にする「レッドリスト」という言葉。レッドリストは希少生物をまとめたリストです。これは国際自然保護連合が最初に作成し、その後各国政府や自治体がまとめたもので、ワシントン条約とは別物です。



生息数が少ない生物を守ろうという志は同じですが。



■革や粉末でもNG!



ワシントン条約の附属書に掲載されている動植物については、生きている個体以外も取引の規制対象です。例えば、動物なら革や牙、植物なら粉末や茎など。



規制や罰金が出たケースとしては……



・ワニ革のバッグを海外で購入し、帰国の際に税関で没収となった。



なんて話があります。ワニはすべての種が附属書1と附属書2に掲載されているので、政府の許可証がないと持ち込むことができません。日本国内で販売されているワニ革の製品は正規のルートで輸入されたものです。



同じように革で規制に引っかかった例として、希少生物の革を使用したギターが没収された、なんてこともあるそうです。



掲載されている植物の粉末を使用した美容パウダー、木材を使用した家具などももちろん規制対象です。海外では普通に売られている商品だとしても、日本に持ち込むことが禁止されているケースもあります。気を付けたいところですね。



野生生物の取引を監視・調査するNGO団体であるTRAFFIC(トラフィック)に問い合わせたところ、日本人が懸念しているクロマグロやウナギ(ジャポニカ種)については、今会議の改正提案一覧に入っておらず、討議される予定はないとのこと。



しかし、締約会議以外の場所で魚類関連の団体が会議を行う可能性はあるそうです。確実に数は減っていますから、そのうち附属書に掲載される日が来るかもしれませんね。



(貫井康徳@dcp)