偽造診断書は「そのすべてが本物に近かった」

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偽造診断書を使い、2年間で87日もズル休みを重ねていた元北海道庁職員のA(57)が、2月下旬に偽造有印私文書行使の疑いで逮捕された。すでにAは昨年10月末に道庁を懲戒免職となっていた。

定年退職まであと3年というところで、2千数百万円とみられる退職金がパーに。J-CASTニュースの取材に、調べに当たった道庁職員は「彼は反省はしていましたが、当時の心境を聞くことはできませんでした」と答えた。

しかし、2年もの間、なぜバレなかったのだろうか。Aが頻繁に病気休暇を取り出した2010年8月以来、道庁に提出された偽造診断書や診療費レシートは計102通にのぼるが、「そのすべてが本物に近かった」(道庁人事課)という。警察の調べに、Aは「偽造診断書は自分でつくった」と答えたそうだ。

病院で落ち合うつもりが「しばらくお見えになってません」

不正が露呈したのは、Aの上司による心配と懐疑の思いが半ばした行動がきっかけだった。

「きょうも体の具合が悪いので、医者に見てもらいます」

昨年8月、Aからの電話を受けた上司は、彼のかかりつけの医療機関に足を運んだ。そこでAと落ち合い、一緒に医師の診断や治療予定について聞こうと思ったからだ。Aは発熱や腰の痛みを理由に病欠を繰り返し、業務にも支障が出ていた。

ところが、数時間待ってもAは姿を現さない。上司が受付窓口に尋ねると、「その方はしばらくお見えになっていません」という答えが返ってきたのだ。

「ズル休みをしていたのではなく、家で動けなかっただけ」

道庁の調べに、Aは当初そう反論していたという。Aは不正取得した87日分の給与約167万円を受け取り、今も返納していない。

相次ぐ「公務員の長期ズル休み」に共通点は?

道庁によると、「個人情報に関する遠慮などもあり、ニセ診断書に記された医師に問い合わせることもなかった」という。今回は上司のファインプレーで発覚に至ったが、書類の体裁が整っていれば粛々と処理する「お役所仕事」が不正を続けさせ、懲戒免職に発展させた側面はなかったか。

偽造診断書を使った公務員によるズル休みは、13年2月上旬には東京都でも発覚し、中央卸売市場の主事(当時32)が停職6か月の処分を受けている。

07年6月には農水省の係長(当時47)が18通のニセ診断書を使って不正に129日も病欠したとして懲戒免職になったほか、10年5月には大阪市内の税務署勤務の男性職員(当時36)が偽造診断書を14回提出、最大で連続36日もの病気休暇を不正に取っていたとして停職6か月となっている。