早起き習慣、資格の勉強、ダイエット…「なりたい自分」に近づくために必要だと分かっているのに、

続かないのはどうして?このたび初来日したベストセラー『スタンフォードの自分を変える教室』

(大和書房)の著者ケリー・マクゴニガルさんに、「自分を変えたい」読者の悩みを直撃質問しました。

日経WOMAN ONLINEだけの特別講義を4回に分けてお届けします!


 『スタンフォードの自分を変える教室』は、健康心理学を専門とするスタンフォード大学の心理学者ケリー・マクゴニガルさんによる超人気講義「意志力の科学」を基に書かれたもの。目標を達成し、「なりたい自分」になるために必要な「意志力」を解き明かしたこの本は、日本でもビジネスパーソンを中心として人気に火がつき50万部(13年3月1日現在)を超えるベストセラーとなっている。


ケリー・マクゴニガルさんによるベストセラー本
『スタンフォードの自分を変える教室』

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 「意志力の科学」の受講生たちは、最初の授業で「なりたい自分」になるためのチャレンジを選び、授業で学んだ戦略を次の授業までの1週間実生活で試した。その後教室でフィードバックしては、また別の戦略を試す、といった形で試行錯誤を繰り返していった。講義開始から1カ月後のアンケートでは、97%が「自分自身の行動を以前よりも理解できるようになった」と回答し、84%が「以前よりも意志力が強くなった」と答える成果を出したという。

 本では「たった一口、クッキーを口にしたら、『もうダイエットなんてどうでもいい』と、何個も食べてしまった!」「だらだらテレビを見るのを止めようと思うのに、『今日は楽しんでしまって、明日から頑張ろう』といつも後回しにしてしまう」などのケースを挙げ、受講生たちが「意志力」を強化するために効果的のあった様々な戦略を紹介している。

 講座を通して、ケリーさん自身も受講生と共に目標を設定し、「意志力」を強化するためのチャレンジを実践していったそう。そんなケリーさんに、スキルアップもしたいし、プライベートも充実させたい、けど将来がちょっと不安…な読者の悩みを代表して質問してみた。


Q. 「明日こそ早起きしようと思うのに起きられず、結局毎朝バタバタしてしまう」「ダイエットしようとスポーツジムに入会したのに、つい面倒くさくなって行かなくなってしまう」など、「自分を変えたい」という気持ちはあるのに続かない、という場合、どうしたら、確実にやろうと決めた行動ができるようになるでしょうか。

A. まずは「なぜ変わりたいのか」理由を明らかにして

 私の講座に来る受講生たちに、まず話すのは、「今、自分自身の中に何が起きているのか、ということに注意を払ってほしい」ということです。「どうしてやろうと決めた行動ができなくなってしまっているのか、なぜ望んでいることができないのか」をよく考えてみてほしいのです。

 例えば、「早起きをしたい」と思っているのに、朝、目覚ましが鳴ってもベッドから出て行くことができない、という場合は、「どうやって“起きない自分”を許してしまっているのか」ということを観察してみてください。大概、こうしたことはあまりにも当たり前になってしまっていて、「どうしてそうなってしまうのか」ということに対して意識すらしない人がほとんどなのです。

 次に私が受講生たちに言うのは、「なぜ変わりたいのか」という理由を明らかにすることです。これは、私が「望む力」と呼んでいるものなのですが、「変わる」ためには、深い動機が必要なのです。

 「変わりたい」動機について尋ねると、「いつも部屋が汚いから」「早起きができない自分が嫌だから」「つい無駄遣いをしてしまうから」といった「自己批判」や「罪悪感」が動機になっている人が多いのですが、そうした動機は、自分自身によりストレスを与えるだけで自分を変えることにはつながりません。むしろ、そのストレスを発散するために自暴自棄になりがちで、逆効果なのです。むしろ「自分は人生で何を経験したいのか」といった前向きな動機が必要なのです。

 また、「自分は本当に何を求めているのか」を正しく理解していなければ、「自分を変える」チャレンジに意味が見いだせず、行動を持続することが難しくなります。例えば、早起きをする習慣そのものはいいことですが、「早起きをして何をしたいのか、そもそもの目的はなにか」ということが分かっていれば、苦手な早起き以外にも方策を取ることができます。

 「朝早起きをして資格の勉強をしたい」ということであれば、逆に、夜テレビを見る時間を減らしてその時間を勉強に当てるとか、友人たちを巻き込んで一緒に勉強をするとか、他にもいろんな方法があるかもしれません。あまり「早起き」にこだわりすぎると、目的を達成するもっといい方法があっても、その他の方法を試す機会を逃してしまうことになりかねません。「自分を変える」チャレンジをする際は、まず「自分は本当に何を求めているのか」ということをよく考えてみることが大切です。

☆「自分を変えたいのに、続かない」あなたは
●「どうしてやろうと決めた行動ができなくなってしまっているのか」自分をよく観察する
●「自己批判」や「罪悪感」を動機にしない
●「自分は本当に何を求めているのか」をきちんと理解する