新しいローマ教皇ってどんなふうに選ばれるの?



バチカンのローマ教皇であるベネディクト16世が2013年の2月28日(ヨーロッパ時間)で退位します。終身制が定着しているローマ教皇が退位することは極めて異例なことで、自分の意思による生前退位は約600年ぶり。2例目だそうです。



ベネディクト16世の退位に伴い新教皇が選ばれますが、新教皇がどういった基準で選ばれるものかご存じですか? どういった方法でローマ教皇が選出されるのか調べてみました。



■教皇は『コンクラーベ』という投票によって選出される



新しい教皇は、コンクラーベと呼ばれる選挙によって選出されます。では、このコンクラーベとはどんな選挙方法なのでしょうか?



コンクラーベは、「枢機卿」と呼ばれる、教皇の次に高い地位を持つ人たちによる教皇選出投票のことで、今から約800年前に原型ができたといわれています。かつては枢機卿全員で名前を一斉に挙げる選出方法もあったそうですが、現在は投票による選出だけとなっています。



選挙権を持つ枢機卿ですが、枢機卿なら誰でも投票できるわけではなく、80歳未満の枢機卿にしか選挙権は与えられていません。枢機卿は2013年2月時点で209人。そのうち80歳未満は117人。この117人のうち、3分の2の票を得ることができれば新教皇になれます。



教皇の逝去、または退位から新教皇の選出までの手順や規則は『ウニベルシ・ドミニ・グレギス』という憲章で定められています。これは、1996年に当時の教皇だったヨハネ・パウロ2世が、これまでの慣習や時代にそぐわない規則などを修正してまとめたものです。



「選挙期間中は新聞やテレビなどのメディアに接触してはならない」などの現代ならではの規則が定められています。そのため、選挙中に枢機卿が宿泊する施設では電話やインターネット回線が遮断されているそうです。



■長引く可能性のあるコンクラーベ



選挙当日、世界各国から集合した枢機卿たちはウニベルシ・ドミニ・グレギスに基づき行動します。まずはバチカン市国にあるサン・ピエトロ大聖堂に集合し祭儀を行います。その後、パウロ礼拝堂で聖歌を歌い、投票が行われるシスティーナ礼拝堂に移動します。

その日の午後に最初の投票が行われます。投票は無記名で、決まらなかった場合は翌日に再投票が行われます。再投票になった場合は、午前2回、午後2回の1日計4回の投票となります。以後、休息日や枢機卿最年長者の講話を挟みながら、決まるまで何日も1日4回の投票が続きます。



あまりにも決まらないときは、直前の投票で最多票数だった2名による決選投票を行うこともあるそうです。



用紙は投票ごとに焼却して処分します。焼却の際、その投票で教皇が決まらなかったときは黒い煙を、決定の場合は白い煙を立ち上らせます。



コンクラーベは長引く可能性が高いといわれていますが、ベネディクト16世が選出された際のコンクラーベは2日目に決定。非常に早い段階で白い煙が上がりました。



男性の聖職者なら、誰でも教皇になる資格を有していますが、現在は、枢機卿団の中から選ばれるのが一般的です。次の教皇も枢機卿団の中から選ばれるでしょう。





ちなみに、「ローマ教皇」と呼ばれているので、イタリア人でないといけないと思っている人もいるかもしれませんが、イタリア人でなくても教皇になれます。ベネディクト16世はドイツ人、その前のヨハネ・パウロ2世はポーランド人でした。もしかしたら、いつか日本人の教皇が……なんて想像をしてしまいますね。



(貫井康徳@dcp)





【カトリック中央協議会HP】

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