冬場に気を付けたい病気たち



冬になると、インフルエンザや気管支炎などの病気がはやるそうです。では、こうした冬場になりやすい代表的な病気以外では、どんな病気に気をつければいいのでしょうか? 内科の先生に聞いてみました。



■冬場に流行る病気は?



――冬場は、インフルエンザや気管支炎などの病気がはやる時期ですが、他にはどんな病気がはやるのでしょうか?



まずは「マイコプラズマ肺炎」ですね。これは毎年多くの方が感染しています。



――マイコプラズマ肺炎とは、どんな病気なのですか?



マイコプラズマ菌という菌に感染することによって起こる呼吸器系感染症です。発熱や鼻水、痰を伴う長引く咳が特徴の病気で、特に咳は熱などの症状が落ち着いてからもしばらく続きます。



――どういう経路で感染する病気なのですか?



マイコプラズマ肺炎は咳や唾などの飛沫を介して感染する病気です。学校や会社など、集団で行動する場所での感染が多いですね。予防するためには、うがい手洗いを徹底し、十分な栄養と睡眠を取るなど、体の抵抗力が落ちないように心がけるといいでしょう。流行している時期は人混みをなるべく避け、マスクを着用することも大事ですね。



――ほかにはどんな病気が流行するのでしょうか?



ノロウイルスなどのウイルス感染による、「ウイルス性感染性胃腸炎」(食中毒)も冬場にはやりやすい病気です。大人はノロウイルス、乳幼児はロタウイルスというウイルスに感染しやすいです。ウイルス性胃腸炎は2日もあれば回復しますが、高齢者が感染すると重症になるケースもあるので、気を付けたいですね。



――どうしたら予防できますか?



まずはウイルスが食品などに付着しないよう手洗いを徹底することです。貝類などの食品を食べることで感染します。貝類を食べる場合はしっかりと加熱することも予防になります。ご家族が感染された場合は、その方の吐物や便にもウイルスが多く含まれているので、速やかに処理することも大事です。処理に使ったタオルや雑巾などは密封して捨て、衣服などは消毒しましょう。



――ウイルス性感染性胃腸炎は、感染すると嘔吐感がずっと続いたり非常に苦しいので、予防は徹底したいですね。



あとは、「RSウイルス感染症」という病気も1歳までの乳幼児に多く見られる季節です。感染すると鼻水、咳、多呼吸などの呼吸困難の症状が起きます。流行期は、できるだけ人の多い場所にお子さんを連れて行かないようにするといいですね。



――大人がRSウイルス感染症になることはありますか?



成人が感染すると、気管支炎の症状や数日間の発熱などを引き起こします。



■脳梗塞や心筋梗塞にも要注意



――冬場は脳梗塞や心筋梗塞も引き起こしやすいと聞いたことがありますが、それは本当なのでしょうか?



脳梗塞や心筋梗塞などの血管障害は、確かに冬場に起こりやすいのですが、冬場が際立って多いというわけではありません。夏場でも脱水症状などによって血液が流れにくくなり、血管が詰まってしまうケースが多く見られます。



――なるほど。「特に冬場に多い」ということではないのですね。では、冬場に血管障害が起こりやすい理由は何なのでしょうか?



冬場は気温が低いために、血管が収縮します。血管に問題のない人なら大丈夫ですが、血液の流動性が低い人や、動脈硬化が進行している人などは、収縮した血管に血液が詰まります。そうすると、脳梗塞や脳卒中、心筋梗塞が起こるのです。また、冬場は収縮して通りにくくなった血管に血液を通そうとして心臓に負担がかかり、急性心不全などにつながる可能性もあります。



――こうした症状を引き起こさないようにするにはどうすればいいのでしょうか?



体が冷えた状態での入浴や、急に冷たい部屋に行くなど、大きな温度差が発生する行動を避けることですね。もちろん、食生活の改善や運動で血液の流動性を上げ、動脈硬化の治療を行うことも大事です。



最近では、若い人の中でも脳梗塞や心筋梗塞になってしまう人もいるそうなので、「若いから」と慢心せずに予防を心がけたいですね。



(貫井康徳@dcp)