『生命は、宇宙のどこで生まれたのか』

青天のへきれきとはこのことだ。ロシアのウラル地方に隕石(彗星説も)が落下、1000人を超える大勢の人が負傷し、建物にも甚大な被害が出た。宇宙のどこから、なにゆえの襲来なのか。東京に落ちてくることはないのか。杞憂という言葉があるが、そんな心配をしたくなる。宇宙はまだまだ謎に満ちている。

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最前線の「宇宙生物学」

『生命は、宇宙のどこで生まれたのか』

われわれ人類を含む生命はいつ、どこで生まれたのか。そもそも、生命とは何か。地球以外にも生命は存在するのか。誰しも一度は抱く疑問だが、こうした疑問に関する興味深い現象が最近次々に明らかになってきて、宇宙と生命についての新しい学問が注目されている。「アストロバイオロジー」、直訳すれば「宇宙生物学」。祥伝社新書の『生命は、宇宙のどこで生まれたのか』(著・福江翼、819円)は、この「宇宙生物学」の成果をわかりやすく解説した入門書だ。

わかりやすいといっても「なぜ地球の生命はすべて『左手型アミノ酸』でできているのか」などといわれると、文系の人間は、ついひるんでしまいがちだが、専門家でなくても最後まで読めるよう専門用語をなるべく使わないなど配慮と工夫がなされている。

若田光一さんが素朴な疑問に答える

『宇宙飛行 行ってみてわかったこと、伝えたいこと』

宇宙とは一体どんなところなのか。実際、行ってみた人に聞くのがいちばんだ。日本実業出版社の『宇宙旅行 行ってみてわかったこと、伝えたいこと』(著・若田光一、1575円)は、これまで3度、アメリカ航空宇宙局(NASA)のスペースシャトルに搭乗して宇宙飛行ミッションに参加した宇宙飛行士の若田光一さんに、誰もが聞きたがっている63の疑問に答えてもらう構成になっている。

宇宙をリアルに感じてもらいたいという編集意図もあって、「宇宙では上下左右はどうなっているか」「宇宙食にはどんなものがあるか」「宇宙ではトイレはどのようにするのか」などと質問もなかなかリアル。若田さんが宇宙で撮ってきた写真も交え、宇宙と人類について身近に感じられる内容になっている。

「ペンシルロケット」から苦闘の半世紀

『日の丸ロケッツ 日本宇宙開発物語』

敗戦から10年、まだ貧しかった日本で小さなロケットが発射された。鉛筆にもじって「ペンシルロケット」といわれた。日本の宇宙開発の第一歩だった。開発を手掛けた糸川英夫は「日本ロケット開発の父」と呼ばれた。それから約半世紀、糸川博士にちなんで命名された小惑星「イトカワ」から探査機「はやぶさ」がサンプル採取に成功、無事地球に帰還して多くの人の感動を呼んだ。

文芸社の『日の丸ロケッツ 日本宇宙開発物語』(著・村沢譲、1260円)は、日本の宇宙開発の苦闘の歴史を描いたノンフィクションだ。糸川の実験後、1970年に初の人工衛星打ち上げに成功するものの、以後は挫折が続く。2003年のJAXA誕生を機に「かぐや」「はやぶさ」とようやく成果が実る――。