ガソリンの値上がりを円安のためと納得が行く今日、同様の理由で、壁紙の主原料である塩化ビニール樹脂を供給する化学品メーカーの値上げが加速している。それに直結しているのが買い手の壁紙メーカーである。この円安の影響が大きいとして、壁紙も相応に値上げせざるを得ないという声が上がっている。

まず、塩化ビニールなどの原料となるナフサ価格の推移をみると、その上昇の勢いがわかる。5年前の2009年(1〜3月)キロリットル当たり27,000円だったのが、この2013年(同)では、実に2倍以上の70,000円が見込まれている。ちなみに2010年(同)は47,000円、2011年(同)は52,000円、2012年(同)が54,000円である。
こうした円安、ナフサ高などを背景に、化学品メーカーは、1月から2月にかけて、塩化ビニール樹脂等の値上げを開始している。値上げ幅は1キログラム当たり15円〜17円。同時に、可塑剤も1キログラム当たり18円〜25円値上げしている。
懸命に生産の合理化等のコスト低減を計りながらも、原材料の値上げ(高騰)を受け入れざるを得ない壁紙メーカーにとって、もう1つ経営を圧迫する要因がある。ユーティリティと呼ばれるランニングコスト。東京電力地区では昨年の春以降、契約更新日随時に電気料金が17%程度値上げされたことや、機械に使うA重油の高騰が1月以降続いていることなどがあげられる。
一方では、施工環境の問題がある。現在、業者が施工代金の最安値で困惑、職人が減少して施工工程に影響が出ている。また、工事店なども価格の下落で苦しい状況にある等々。

このような経営環境のもと、業界を盛り上げていくために、壁紙製造メーカーの安定供給、流通価格の正常化、施工業者の育成および施工業者不足の解消を考えれば、30〜35%の値上げは必至であるという声が上がってきている。