異例の8部門にノミネート! 『世界にひとつのプレイブック』
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いよいよ今月25日はアカデミー賞授賞式。今年も力作が揃う中、作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、編集賞の計8部門にノミネートされた作品がある。1つの作品が全演技部門に候補入りするのは、実になんと31年ぶり。そんな快挙を成し遂げた作品のタイトルとは、『世界にひとつのプレイブック』。演技部門ノミネートといえば、「体重も増やして(減らして)全身全霊で演じきりました!」的な(!?)“重たいテーマ”を扱った作品をイメージしてしまいそうなのだが、本作は型破りなラブストーリーだというのだから驚きだ。ますはストーリーからご紹介したい。

ストーリー


妻の浮気が原因で心のバランスを崩したパットは、仕事も家も失い、両親とともに実家暮らし。いつか妻とよりを戻そうと奮闘していたある日、事故で夫を亡くして心に傷を抱えた女性ティファニー(ジェニファー・ローレンス)に出会う。愛らしい容姿とは裏腹に、過激な発言と突飛な行動を繰り返すティファニーに振り回されるパットだったが、ひょんな事からダンスのパートナーになることに!?

アカデミーノミネートもナットク、魅力溢れるキャスト陣


主人公パッドを演じたのは、ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」への出演をきっかけに俳優デビューしたブラッドリー・クーパー。最近では、大ヒットコメディ「ハングオーバー!」シリーズのイケメン不良教師フィル役で一躍有名に。本作では、愛する妻を取り戻すためには理性が効かなくなる、繊細ながらも凶暴性を秘めた男を演じている(時々、瞳孔が開いているような表情にヒヤッとさせられることも)。

ヒロイン役には23歳にして、既にアカデミー主演女優賞ノミネート経験があり、本作でも主演女優賞にノミネートされた『ハンガー・ゲーム』のジェニファー・ローレンス。これまでにも数々の映画賞を受賞している彼女だけにその演技力はさすが。圧倒的な存在感とフェロモン全開で、夫を失い誰にも理解されずに苦しむティファニー役を熱演している。(可愛さと野性的なセクシーさと、ちょっとだらしないのと、強気なのと、型にハマってない感じがたまらない)

そんな彼らが近づいたと思えば衝突したり、お互いを傷つけないながらも、愛をつかもうとする様が、全く予想のつかない展開で描かれていくのが面白い。

助演男優賞にはロバート・デ・ニーロ


また本作はラブストーリーにとどまらず、家族の物語でもある。
一気に妻も仕事も失ってしまったパッドが暮らす実家では、ロバート・デ・ニーロ、ジャッキー・ウィーヴァー扮する両親が、パッドを何とか支えようと心を尽くす。そのパッドと父親のやりとりには、思わずホロリとしてしまうし、何も言わずじっと見守っている母親の存在にも涙。

ロバート・デ・ニーロに至っては、コミカルなシーンとの演じ分けもお手の物で観客を楽しませてくれる。そう言えば、案外こういう役って見たことないかも、とちょっと新鮮。ロバート・デ・ニーロ、ジャッキー・ウィーヴァー共にアカデミー助演男優・女優賞にノミネートされていて、本作が確かな演技力の俳優たちに支えられていることがよくわかる。

さいごに


といっても、やはり本作はオリジナリティ溢れるストーリーが魅力。お互い大きな傷を抱えていて、しかも両者とも思った事を口に出してしまうタイプ。更には突然理性が効かなくなってしまったり、社会人としては甚だ失格な2人なのだけど、それはある意味、自分にとても正直でもあって、、。そんな彼らが唯一共通して欲しいもの、それは“愛”。
その愛の在り処にそれぞれが気づくまでのプロセスが何ともユーモアに溢れ、最後まで私達を飽きさせない。

傷ついた男女のやりとりはとても生々しかったりするけれど、どんないびつな自分でも、誰かと一緒なら、いつか幸せに生きていけるのだと、温かな希望を与えてくれる本作、アカデミー全演技部門ノミネートといった話題を抜きにしてもぜひ注目していただきたい作品だ。
(mic)

■ 映画『世界にひとつのプレイブック』公式サイト
2月22日〜全国ロードショー!