西川貴教「アニメはポップカルチャーの最前線」アニメミライ2013完成試写

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文化庁による若手アニメーター育成プロジェクト「アニメミライ2013」の完成披露試写会が21日、東京・新宿バルト9で行われた。

「アニメミライ」は、2010年(当初は「PROJECT A」)よりスタートし、今年で3回目を迎える。

日本のアニメーションを担う人物を育てると共に、質の高い作品を国内外に発信していくプロジェクトで、国内のアニメ制作プロダクションから公募したオリジナルアニメーション募集し、選出された4社が若手アニメーターを起用して約25分間の短編アニメーションを制作。

今年は、ゴンゾの『龍-RYO-』、ZEXCSの『アルヴ・レズル』、マッドハウスの『デス・ビリヤード』、トリガーの『リトル ウィッチ アカデミア』と4作品が選ばれ、このたび完成を迎えて試写会を実施した。

一般公開は、3月2日から2週間の劇場公開、劇場公開終了後には、ytv、MBS、BSマニアックスといった放送局で、制作された作品の放送も予定している。

完成披露試写会は、試写に先立ち、同プロジェクトを進める文化庁文化部の大木高仁氏が登場。

「普通ですと業界がちゃんともうけが出るように皆さん一生懸命がんばるのですが、それにあえて国が出てきて、国民の皆さんからいただいた税金を投入するのかという硬い話をしたいと思います」と前置きした上で、「世界的にも日本の作ったものは非常に質が高いと言われるのが理想だと思いますし、日本のすべての人にとっても誇りになることでしょう。

我々が国や役所の立場として応援するのもそのためだと思っております。

若いアニメーターの方々には、そういった応援されている気持ちを忘れずにいていただきたいと思います」と若いアニメーターにエールを贈った。

続けて大木氏は、アニメーション業界全体として「アニメミライ」は、ほんの1つのメインストリームにすぎないものの「こういうことが質の高い作品制作に繋がっていく」と同プロジェクトを説明。

それとともに裾野の部分では「国内外のいろいろな人たちに支えられながら、日本のアニメーションが作られています。

1つの作品が完成し、それが日本ブランドとなって、質が高いのかどうか見られている世界だと思います」と業界全体を分析するとともに「日本のアニメーションの質を高めるために、人を作るという観点から、どういうことができるか業界の方々には考えていただきたいと思います」と今後のアニメ業界の展望について話していた。

続いて、一般社団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)の代表理事を務め、『AKIRA』の原画や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 』の作画監督などを務める伝説のアニメーター井上俊之氏が、「第一の目的には若手アニメーターを育成していくことにありますが、もう一つ隠れた意義があると思っています」と同プロジェクトの意義を解説する。

「僕も経験があることなのですが、教えを請われた時に自分の中では理解していることが言葉にできなかったり、わかっていると思っていたことが判然としていないことに気づくことがある。

これはアニメ業界に限った話ではないですが、この事業を通じて若手を指導する中堅の人たちにも、同じような思いをしたのではないかと思います」とこの試みが決して若手のためだけではないことを強調。

さらに「アニメ業界は、アニメの技術の言葉にすることを怠ってきたと業界。

それが若手を育てることができなかった原因になっている」と現状の問題点を指摘し、「この事業を通じて、育成の方法や環境が整うということが、若手を育てるという直接的なことよりも、業界が育成環境の構築の方にシフトを変えていくことの方が大きな意義があるのではないかと」とこのプロジェクトの裏テーマを明かした。

最後に、昨年に続き2年連続で同プロジェクトの広報大使を務めるT.M.Revolutionこと西川貴教が登場。

「諸外国が日本のポップカルチャーに注目をしてますし、そういった意味ではアニメ制作現場は最前線ではないかと思います。

日本には資源が少なく、産業も元気なくなる中で、我々がなにを輸出していくのかを考えたところ、サービスであったり、形のない文化を胸を張って発信していくという重責を感じています。

そのなかで、アニメを通じ、いろいろな方々と繋がっていき、日本独自のものをどんどん生み出していくためにも、皆さんに協力していただければと思っております」と改めて同プロジェクトの意義、そして応援を集まった観客に対してアピールした。

各作品のキャストは「アニメミライ2013」公式サイトまで。

(C)文化庁 アニメミライ 2013