荒天と戦う管制官たちの憂鬱
〜アビアンカ航空52便の墜落事故

 第52講「航空事故調査から学ぶ【1】〜離着陸時にはクツを脱ぐな」では、「Critical Eleven Minutes」の紹介とともに、航空事故の発生原因(6割が人為的ミス)やその調査体勢について述べました。第53講「航空事故調査から学ぶ【2】〜最初に何が起こったのか?」では、事故原因解明に挑む調査官たちの努力を紹介しました。

 今回は人為ミスの中でも、比率は低いながら重大事故につながりやすい、管制官(ビジネスでいえば、上司やコントローラー)のミスとその発生原因について見ていきたいと思います。

 1990年1月25日、アビアンカ航空52便は、ニューヨークのジョン・F・ケネディ(JFK)国際空港の北東50km(*1)に墜落しました。悪天候の中、十分余裕を見て積んでいたはずの燃料をすべて使い切っての墜落でした。火災は起きませんでしたが、墜落の衝撃は大きく、乗員乗客158名中73名が亡くなりました。

 なぜ、十分なはずの燃料を使い切ったのでしょう。なぜ、使い切る前にJFK国際空港に緊急着陸しなかったのでしょうか。一言でいえば、それは荒天と戦う管制官たちの「引き継ぎ不足」と「言葉のズレ」によるものでした。

*1 ニューヨーク州ロングアイランドのCove Neck。

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