白ポストが設置されている駅(その3:道徳運動のシンボルとしての役割)

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 白ポストは地方都市を中心に、現在でも設置が継続されています。数百冊のアダルト雑誌や数百本のアダルトビデオ等を白ポストで回収したところで、太刀打ちできないことは明白なのですが、白ポストの設置は、大人が「正しい行動」を子どもたちに見せるという 「道徳運動」として重要です。有害図書追放運動は、地方自治体毎に、「少年補導委員会」や「青少年育成市民会議」などの組織が回収事業を行っています。
 姫路駅前に設置されている白ポストには、「補」の文字をあしらった菊の紋章がデザインされていて威厳を感じさせます。


 岩国駅前のバス停に設置されている白ポストは頑丈な金属製の重厚感のある箱で、際立った存在になっています。その存在感にあやかっているのでしょうか、市営バスの別の張り紙「鳩にエサをあげないでください。」が白ポストの正面に貼られていて、どちらも大人たちの良識ある行動を促しています。


 白ポストと言えば、赤い郵便ポストと区別するために、白く塗られて いるのが普通ですが、最近は、様々なバリーエーションがあります。松江市内には、市内に29台の「黄色いポスト」が設置されています。従来の「白いポスト」という枠を超え、黄色のポストが考案され、名前も「黄色いポスト」と変更されています。箱の色を白から黄色に変更することにより見栄えのする美しい箱に変貌しました。


 寒川市(神奈川県)の白ポストは、さらに斬新です。箱はてんとう虫の形をしていて、呼び名も「てんとう虫ポスト」です。箱には、「僕はてんとう虫ポスト君です。」と書かれており、さらに名前の由来として、「てんとうむし(天道虫):てんとうむし科の昆虫の総称。半球形の甲。背に点状の模様があり、あぶらむしを食う益虫」と箱に説明が書か れています。害虫である有害図書を食べることから「てんとう虫ポスト」と命名されたのだと思います。
 寒川市のてんとう虫ポストくん(箱の点状の模様からナナホシテントウと推察)は、1988年頃に設置されましたが、設置当時はてんとう虫くんの天敵にあたる成人向け雑誌自販機が市内に22台ありました。寒川市では、成人向け雑誌自販機の撤去とてんとう虫くんの設置の両方を推進することにより、有害図書を追放しました。現在の白ポストの天敵(有害環境)は、冒頭でも述べたように、ネットやアダルトビデオ等の専門店に置き換わっていますが、「道徳運動」のシンボルとしての白ポストの役割は今後も続くことでしょう。



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