東京の危険な地域はどこ? 巨大地震が来ても倒壊しない家づくりのポイントは?

写真拡大

東日本大震災の影響で、首都直下地震が30年以内に発生する確率が70%まで高まったという。

巨大地震に襲われたときに「家」が倒壊してしまったら、生活に困るばかりか命を落とす危険性もある。

より安全な暮らしを確保するためには、どのような家に住めばいいのだろうか。

まずは、住まい選びのポイントである立地条件について調査。

東京で一番危険な場所はどこなのか調べてみた。

首都直下地震は、フィリピン海プレートと太平洋プレートの境界面で発生する「東京湾北部地震」、多摩地区で発生する「多摩直下地震」、埼玉から東京西部を走る断層が原因の「立川断層帯地震」、房総半島南端で起こる「元禄型関東地震」の4つが想定されている。

2012年4月に東京都が発表した被害予想によれば、もっとも被害が大きくなるのは東京北部地震(M7.3)で、23区の半分以上は震度6強の揺れに見舞われることがわかった。

とくに東部の揺れが大きくなり、海沿いの江東区、江戸川区だけでなく、内陸部の墨田区の一部は震度7という予測である。

地震の揺れで倒壊する建物は約15万棟と試算。

関東平野は地盤がやわらかいので、揺れが大きくなるようだ。

大切な命はもちろん、家財を守るためには立地だけではなく、揺れに強い家を選ぶ必要がある。

どのような地震対策が有効なのか、住友ゴム工業株式会社 制振事業推進部 松本達治(たつじ)さんに話をうかがった。

――なぜ地震によって家が損傷してしまうのでしょうか?松本さん「建物は上下動に対しては比較的強くできています。

問題になるのは水平方向の力です。

ただ、地震によって水平方向の力を受けても、住宅は簡単に損傷することはありません。

建築基準法により、一度の地震では倒れない程度の耐震性能が定められていますし、横から押されて少し傾いても力を取り去れば元に戻ろうとします。

そのため、本震だけでは建物が深刻なダメージを負うことは少ないでしょう。

では、なぜ損傷してしまうのかというと、繰り返しダメージを受け続けることが原因なのです。

つまり、『余震』の影響ですね。

本震で大きなダメージを受けた後にさらに大きな力が加えられると、建物が地震の力に耐えられる限界を超えてしまいます。

そうなると、力を取り去っても傾きは元に戻らず、変形したままになるのです。

この限界点を一度でも超えてしまえば、小さな力でもどんどん変形が進み、最終的には倒壊に到るケースもあります」――本震の影響が大きいのだと思っていましたが、余震も重視しなければならないのですね。

松本さん「東日本大震災でも、3月11日から3月30日という短い間にM5.0以上が466回も記録されました。

2004年のスマトラ島沖地震では、本震発生から12時間以内にM5.5以上の地震が16回も発生しています。

本震で損傷をまぬがれても余震によって被害が拡大する住宅は多く、本震で限界点を超えない家づくりが必要です」――地震から家を守るためには耐震基準を満たす必要がありますが、最近では「免震」や「制震」という言葉も耳にします。

これらの違いについて教えてください。

松本さん「耐震とは、柱や梁(はり)などの接合部や耐力壁の強さによって、地震の揺れに耐えるという構造です。

基本的にはどのような住居も一定の耐震構造を有しています。

ただし、揺れを経験するごとに徐々に接合部がゆるんでしまい、耐震性を失ってしまうのです。

そのため、余震が続くと倒壊するおそれがあります。

免震とは、地震の揺れを建物に直接伝えないようにするため、建物と地盤の間にゴムなどの支承(ししょう)を設置する構造です。

効果は期待できるのですが、やわらかい地盤や埋め立て地には設置することが困難であったり、建物が地面とは異なる動きをするので、住居の周囲に物置や設備などを置くことができなかったり、価格も300〜500万円と高く、増築や改築が困難などの条件が加わってきます。