by John Cairns, based in Oxford UK.

Googleは2012年3月にセルフドライビングカー(自動運転カー)をほぼ完成させ、同年8月までに無事故で50万km弱を走行するなど確実にテストを重ねていますが、イギリスではオックスフォード大学がセルフドライビングカー「RobotCar UK」を製作し、そのテストが始まっています。

RobotCar UK
http://mrg.robots.ox.ac.uk/robotcar/


このRobotCar UKはオックスフォード大学モバイルロボット工学グループが製作しているもので、EPSRC(Engineering and Physical Sciences Research Council:工学・物理学の研究評議会)日産自動車Guidance Navigation Limited(ナビや位置測定技術の開発企業)、MIRA(工学技術のコンサルタント企業)がスポンサーとしてついています。

製作チームのメンバー


車は日産リーフを使用。



自車位置と走行ルートの決定にはGPSナビゲーションシステムと、屋根部分に搭載した3Dレーザーによるレーザー誘導、およびマッピングを使用。データは3G・4G回線を使って通過車両やインターネット上の集中システムからダウンロードできるので、すべてのデータを事前に車に持たせておく必要はありません。

by John Cairns, based in Oxford UK.

車の外観はこんな感じ。

RobotCar UK - Video Portrait - YouTube


屋根の上に誘導用のレーザー機器が搭載されているほかに大きく変わった部分はありません。


内装もほぼノーマル。


コントロールシステム自体はiPadで操作を行っています。

RobotCar UK - Autonomous Start Up Using iPad - Full Sequence - YouTube


まずはiPadのロックを解除


続いてアプリを立ち上げます


パスコードを入力し……


オートドライブを設定。


システムがオートドライブの準備に入りました。


運転手はギアを「D」に入れて状態でハンドブレーキ(サイドブレーキ)を外し、フットブレーキを踏んだ状態で待機。


これでオートドライブの準備は完了。


iPad上に準備完了を示すメッセージが出るので「了解」をタップし、フットブレーキを放すと車はオートドライブで勝手に動き始めました。



実際にこのオートドライブで走り始めてからの様子を車載カメラと外からのカメラで撮影したムービーがこちら。

RobotCar UK - Control And Sensing Enabling Autonomous Driving - YouTube


教習所で運転練習中の風景と言われると納得しそうなゆっくりとした運転



歩行者が道路に出てくるのを感知して、ゆっくりと停車。



「運転していないよ」と、ドライバーが両手を挙げてアピールしています。


オートドライブシステムでは事前に走行したデータとの照合を行って、新たに障害物ができていないかどうかを検知しています。

RobotCar UK - Experience Based Navigation - YouTube


左側がライブ映像、右側は過去に走行したときのデータ。


ただし、夜はカメラでライブ映像を捉えきれないため、レーザー誘導による補助も行われます。


静的情報はこんな感じでマッピングされています。

RobotCar UK - Driving Through Semantic Prior Map And Displaying Dynamic Objects - YouTube


走行レーンや交差点の位置は基本的に不動なので、事前に正確なものを作成しておくことができます。



これと合わせて使用されるのが動的障害検知です。

RobotCar UK - Dynamic Obstacle Detection - YouTube


たとえば対向車両やバイク、自転車、歩行者がどう移動するかをレーザースキャナによって動的に検知。システムは自動車の前方85度、50mの範囲をカバーする形で、1秒間に13回走査を行います。



BBCでは実際にテスト走行に同乗しています。

Test DRIVING in the Oxford Self Driving Robot Car - YouTube


Googleとはまた別方式でのアプローチということですが、いよいよセルフドライビングカーが大衆化する日も見えてきたという感じがします。



記事全文へ