投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、2月18日〜2月22日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、22日に予定されている日米首脳会談でのオバマ米大統領の円安に対する見解を見極める展開となる。

 オバマ米大統領が、アベノミクス(緊急経済対策・金融緩和政策・成長戦略)による円安を容認した場合、ドル・円は95円を上抜ける展開が予想される。

 次期日銀総裁人事では、財務省出身者(黒田東彦アジア開発銀行総裁、武藤敏郎大和総研理事長(前日銀副総裁・元財務次官)は、日本銀行による外債購入には消極的だと見なされており、ハト派色が弱いことから円売り要因としては弱いとされている。

【次期日銀総裁】
 次期日銀総裁として、ハト派色が弱いとされる武藤大和総研理事長(前日銀副総裁・元財務次官)が最右翼に挙げられている。武藤氏には、「インフレ目標+名目GDP目標」に向けた、財務省伝家の宝刀、日銀による国債引き受けとしての「マネタイズド・タックス・カット」が想定される。

 日銀による国債引き受けによる強力な財政・金融政策により、G-7声明「為替レートは市場において決定されるべき。財政・金融政策が国内目標の達成を目指し、為替相場を目標としない」をクリアできると思われる。岩田日本経済研究センター理事長による、外債購入や官民協調外債ファンドは、日本銀行による円売り介入と目されることで、G-7及び20からの批判を受ける懸念がある。

【日本の1月貿易収支】(20日)
 日本の1月の貿易収支は、1兆4059億円の貿易赤字が予想されている。昨年の7月以来7ヶ月連続の貿易赤字を記録することで、円売り材料となる。

【日米首脳会談】(22日)
 オバマ米政権は、対中政略上での日米同盟の強化の観点から、安倍政権の円高・デフレ脱却を目指すアベノミクス(財政出動策・金融緩和政策・成長戦略)を支援する姿勢を見せている。日米首脳会談で、オバマ米政権のドル高政策、安倍政権のアベノミクスを通じた円安容認が確認された場合、ドル高・円安要因となる。

 2月18日〜22日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(日)1月貿易収支 −− 2月20日(水)午前8時50分発表
・予想は、-1兆3840億円
 既公表の1月上中旬の貿易収支は1兆1729億円の赤字。ただし、貿易赤字額は前年同期比で縮小している。前年同月比で輸出額の増加、輸入額の減少は期待できるが、1月の貿易赤字額は1兆円を大幅に上回る見込み。

○(米)1月住宅着工件数・住宅建設許可件数 −− 2月20日(水)日本時間午後10時30分発表
・予想は、住宅着工件数は92.2万戸、住宅建設許可件数は、92万戸。
 参考指標の住宅建設業者(NAHB)指数は、1月が47で12月47と同水準。許可件数には中立要因。住宅着工件数は、先行指標となる住宅建設許可件数が12月90.3万戸←11月90万戸とほぼ横ばいとなっており、中立要因となる。コンセンサスは妥当か。

○(米)1月消費者物価指数−− 2月21日(木)日本時間午後10時30分発表
・予想は、全体の数字が前年比+1.7%、コアの数字は、前年比+1.8%
 1月ガソリン価格は前月比+0.3%程度(季調済み)で、CPI全体には若干の押し上げ要因となる。コアの部分では、先行指標となるPPIの予想が前月比+0.2%程度、前年比では1%台後半の上昇が予想されており、コンセンサスは妥当か。

○(米)1月中古住宅販売件数 −− 2月21日(木)日本時間22日午前0時発表
・予想は、490万戸
 先行指標の中古住宅販売成約は、12月が-4.3%、11月は+1.6%だった。販売件数は主に1、2ヵ月前の成約の数字が反映される。対象2ヶ月の結果を考慮すると、1月の実績は12月とほぼ変わらずか若干減少する可能性がある。

 主な予定は、20日(水):(米)1月生産者物価指数、米連邦公開市場委員会会合の議事録公表、21日(木)1月景気選好指標総合指数

【予想レンジ】
・ドル・円90円00銭〜95円00銭