世界の言語を「母語として話している人の数」「公用語として話されている国の数」「インターネットで使われている人口」の3つのランキングに分けて比較したわかりやすいインフォグラフィック「最も話されている言語TOP20」を旅行サイトのトリップアドバイザーが公開しています。ということで、言語別インターネットユーザー数と母語人口でのランキングの変化を見てみました。

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2位である英語を大きく引き離して母語人口第1位の中国語は、言語別インターネットユーザーの順にランキングすると僅差で英語に続く第2位に、母語人口第9位だった日本語はインターネット上では第4位とランクアップし、母語人口だとトップ10圏外だったフランス語もインターネット上では第8位と大きくランクアップする結果となりました。

まず、「母語として話している言語」トップ20は以下の通り。

第1位:中国語(北京語)(8億8500万人)
第2位:英語(4億人)
第3位:スペイン語(3億3200万人)
第4位:ヒンディー語(2億3600万人)
第5位:アラビア語(2億人)
第6位:ポルトガル語(1億7500万人)
第7位:ロシア語(1億7000万人)
第8位:ベンガル語(1億6800万人)
第9位:日本語(1億2500万人)
第10位:ドイツ語(1億人)
第11位:中国語(呉語)(9100万人)
第12位:ジャワ語(7500万人)
第13位:韓国語(7500万人)
第14位:パンジャブ語(7300万人)
第15位:テルグ語(7300万人)
第16位:フランス語(7200万人)
第17位:マラーティー語(6500万人)
第18位:タミル語(6500万人)
第19位:イタリア語(5700万人)
第20位:中国語(広東語)(5500万人)

そして言語別インターネットユーザートップ10をランキングすると、以下のように順位が入れ替わります。

◆第1位:英語(5億6500万人)
母語人口としては中国に続いて2位だった英語ですが、インターネットで英語を使用する人は5億6500万人となり10カ国中トップで、トップ20位の中で唯一母語とする人の数よりもインターネットユーザーが多くなっているという結果に。


60カ国が英語を公用語としており、外務省によると、現在、世界の国の数は195カ国なので、約3分の1弱の国が英語を公用語としているわけです。


◆第2位:中国語(5億1000万人)
英語とは反対に1位から2位になったのが中国語。インターネットで中国語を使用する人は5億1000万人で、母語として使われている言語では英語に大差をつけていますが、インターネットで使用されている言語では僅差で英語にトップを譲る結果に。


中国語を公用語としている国は3カ国です。


◆第3位:スペイン語(1億6500万人)
インターネットユーザーと母語人口で順位が変わらなかったのがスペイン語。スペイン語をインターネットで使用している人は1億6500万人で、いずれのランキングにおいても世界第3位です。


スペイン語を公用語としている国は21カ国。ヨーロッパではスペインの1カ国だけが公用語としており、その他の多くはアルゼンチン、キューバ、メキシコなどの南米やカリブ海、中央アメリカの国々です。


◆第4位:日本語(9900万人)
第4位は日本語で9900万人。日本語を母語としている人は1億2500万人で20カ国中9位ですが、インターネットではランキングを5つ繰り上がっています。


日本語を公用語にしているのは日本だけだと思われがちですが、パラオのアンガウル州でも日本語を公用語としています。1914年から1945年までは日本がパラオを統治しており、その間、日本人の教師が日本語で授業を教えていたことが要因です。


◆第5位:ポルトガル語(8260万人)
母語としては1億7500万人が使用し第6位だったポルトガル語ですが、インターネット上でポルトガル語を使用しているのはその人の半分以下である8260万人で、第5位となっています。


ポルトガル語を公用語としている国は9カ国ですが、人口が多いブラジルが公用語としていることが結果に影響していると思われます。


◆第6位:ドイツ語(7540万人)
母語ランキングでは10位だったドイツ語をインターネットで使う人は7540万人で、これは第6位。


ドイツ語を公用語とする国は9カ国で、話されている地域はヨーロッパに集まっており、オーストリア、スイスなどがドイツ語を公用語としています。


◆第7位:アラビア語(6500万人)
アラビア語を母語としている人はランキング5位と上位だったわけですが、インターネット上となると6500万人で、これは10カ国中第7位です。


27カ国がアラビア語を公用語としており、主にアラブ首長国連邦、サウジアラビアなどの西アジア、モロッコやエジプトなどの北アフリカのアラブ諸国で話されています。


◆第8位:フランス語(5980万人)
フランスは母語人口のランキングでは16位とトップ10圏外でしたが、インターネットでは第8位。5980万人のインターネットユーザーがフランス語を使用しています。


フランス語を公用語としている国は39カ国あり、これは英語に続いて多いという結果に。主にフランスとカナダ・ケベック州、そしてカメルーンやコートジボアールなどのアフリカ西北部で話されています。


◆第9位:ロシア語(5970万人)
国連の公用語にもなっているロシア語は母語として使用する人も多いのですが、インターネット上でロシア語を使用しているという人は5970万人で、第9位という結果に。母語人口のランキングでは第7位だったので、2ランクダウンしています。


ロシア語を公用語としている国は6カ国あり、そのすべてがベラルーシやカザフスタンなどの旧ソ連構成国です。


◆第10位:韓国語(3940万人)
韓国語も母語人口ではトップ10圏外である13位。しかしインターネットで韓国語を使用する人は3940万人となり、これは第10位にランクアップしました。ちなみに、総合情報サービス会社Bloombergによると韓国におけるインターネットの普及スピードは世界で2番目に早いようです。1位は香港で、日本は3位。


韓国語は大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の2カ国で公用語とされています。


ランキングで使用されている公用語とは「国などが公式の場で使用するように定めた言語」を指し、母語は「その人が最も親しみ得意とする言語」を意味するのですが、「母語として話している人の数」のランキングで第4位の「ヒンディー語」、第8位の「ベンガル語」、第14位の「パンジャブ語」、第15位の「テルグ語」、第17位の「マラーティー語」、第18位の「タミル語」はすべてインド国内で話されている言語。インドでは22の公的な言語があり、900の方言、122の言語そして216の母語があります。そのため、準公用語として英語を採用し、公的な場やビジネスにおいては英語でコミュニケ−ションをとることで言語による隔たりを無くしているようです。


なお、このランキングは文部科学省の発表する世界の母語人口(上位20言語)World Internet Users Statistics Usage and World Population Statsなどの情報を元に作られているとのことです。

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