6月22日『攻殻機動隊ARISE』公開、新しい攻殻はいかにして生まれたのか-「2Dアニメのすごさを見せつけたい」

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『攻殻機動隊ARISE』製作発表会見が12日、東京・六本木のニコファーレにてが開催され、各話50分の全4部作で公開されることが発表となった。

第1話となる『攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain』は6月22日から2週間限定で上映され、劇場ではブルーレイディスクが先行発売されるほか、有料配信も同時にスタートする。

キャストは一新され、主人公の草薙素子役は坂本真綾が演じるほか、音楽はコーネリアスが担当する。

発表会にはプロダクションI.Gの石川光久社長、総監督・キャラクターデザインを務める黄瀬和哉氏、シリーズ構成・脚本を担当する冲方丁氏らが登壇し、意気込みや製作に至った経緯などを語った。

また、『攻殻機動隊ARISE』の最新PV、及び90秒間のオープニング映像も初公開されている。

では『攻殻機動隊ARISE』がいかにして生まれたのか、トークセッションの模様を紹介しよう。

今回、総監督を務める黄瀬氏はプロダクションI.Gの取締役で、これまでに数々の作品で作画監督を務めてきたベテランアニメーターである。

その黄瀬氏が総監督を務めることになった経緯について石川社長は、「世界的には3D映画が盛んですが、2Dアニメのすごさを見せつけたいという強い気持ちがあり、今回タイミングが合ったということもあって黄瀬が総監督を務めることになりました」と語った。

この抜てきに黄瀬氏は「正直場違いだと思っています(笑)。

絵ばかり描いてきた人間が演出をできるのか自信がなく、最初ははっきり言って社命だったんです」と謙遜。

しかし、そんな黄瀬氏が仕上げてきたキャラクターデザインは、石川社長をして「黄瀬が上げてきた草薙素子を見て、ヤバイと思いました。

黄瀬は本気だなと思ったんです。

相当クオリティが高くないとできないし、現場もやばいことになるなと。

こういう黄瀬を見たのは初めてで、身震いしました」と言わしめるほどのクオリティだという。

ではそもそも『攻殻機動隊ARISE』が始動したのはいつだったのか。

石川社長によると、「2010年ごろに原作者の士郎正宗さんと新しい『攻殻機動隊』を作りたいという話をしていた」のがきっかけだったとのことで、「海外ドラマの『CSI:科学捜査班』の脚本がめちゃくちゃいいという話になり、それなら士郎さん書いてくださいよと言ったんですが、断られたんですね。

でもその2カ月後に士郎さんがプロットとキャラクター原案を書いてきたんです(笑)。

このプロットがまたハードルの高いもので、それを冲方さんにそのまま投げたんです」というところから現在の体制での製作がスタートしたのだという。

そんな士郎氏のプロットを受け取った冲方氏は、攻殻機動隊のいちファンとして「士郎氏はこんなこと考えてたの!?」と驚いたといい、「見たこともないプロットだったので、こんな情報を見られてうれしいという反面、これでCSI書いてよと言われてオイ! と(笑)」と相当に悩んだことを明かした。

冲方氏によると、士郎氏のプロットは自由度が高く、過去にも未来にも物語が振れる内容だったという。

冲方氏は黄瀬氏と話し合い、「だったらここで過去をやろうか」という結論に達して、その場でサブタイトルの『ARISE』が決定した。

そうして生まれた『攻殻機動隊ARISE』は、草薙素子がいかにして草薙素子になったのかという過去を描く、まったく新しい攻殻機動隊となった。

冲方氏は「絶対にぶれちゃいけないのは草薙素子をちゃんと人間としてとらえて、生い立ちなどを目をそらさずに描くこと。

テクノロジーが発達しているからこそ、生々しい人間の部分に目を向けることが重要かなと思います」と述べ、また「作画の負担に配慮した脚本にするのか」という質問については、「現場の負担に配慮した脚本にした方がいいかと思ったんですが、誰もNGを出さないし黄瀬監督がまったく反対しないのでだんだん僕も麻痺してきて(笑)。