現地語が使えると情報量は飛躍的にアップ

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海外駐在員ライフ Vol.184

From Brazil

情報量が飛躍的にアップしたのはポルトガル語のおかげ?


■ポルトガル語のおかげで情報源が広がった

こんにちは。サンパウリーノです。今回は、海外駐在に求められるものについてお話しします。

海外駐在をする上で、語学はコミュニケーションをつかさどる必要最低限のツールと言えるでしょう。英語力はもちろんのこと、非英語圏に駐在するのであれば、現地語を覚えることが、極めて重要になってきます。

ブラジルの公用語はポルトガル語ですから、英語はブラジルの人々にとって外国語でしかありません。当社の現地社員の中でも、英語を問題なく使える社員が5パーセントにも及ばないことを考えれば、英語だけで仕事をしようとすると、わずか5パーセントの社員からしか情報を得られないことが、おのずとわかります。ポルトガル語ができれば、100パーセントの社員から得られることになるわけですから、情報の量も質も圧倒的に高まります。ローカルスタッフは言い訳をすることも多く、その言い訳が本当に正当な理由なのかどうかを見極めるためにも、多くの人から情報を集め、客観的に分析をして、自分なりの結論を出す必要が。そのためにもポルトガル語スキルが必須な国だと思います。

私の場合、ポルトガル語は赴任前の研修と、赴任後の実務や生活を通じて身につけました。研修中は、語学講習だけでなく、空き時間を利用してプライベートの語学学校に、夜にはブラジリアン柔術の学校にも通いました。一緒に柔術を習っていた仲間と学校の後に一緒に飲みに行ったりすることで、会話力も身につきましたね。赴任後も、極力ブラジル人の同僚などと昼食を取るようにしたり、仕事中にも雑談を含めた会話をするように心がけました。そのおかげで、今はテレビを見たり、ラジオを聴いたりする上で、特に不自由を感じないレベルに達しています。

同時に、駐在員とローカルスタッフは、決して上下関係ではなく、共に現地で仕事していくパートナーであるという認識で仕事に臨むことも大切です。日本での実務経験を通じて駐在員が培ったノウハウや考え方と、ローカルスタッフが持つブラジルの常識や経験、手法など、お互いのノウハウや考え方を尊重し、意見をぶつけ合い、そのぶつかり合いの中から最適なものを導き出すというスタンスが、今の駐在員に求められているのではないかと認識しています。

というのも、日系企業の日本人駐在員は、ともするとやはり“特別な存在”として見られがちだからです。ブラジル人の同僚にも、「日本人駐在員の方が日本人社長と密にコミュニケーションがとれる分、何かあったら、自分の頭越しにやりとりされてしまうのではないか」という不安が、どうしてもあるようです。彼らのそうした不安を払拭(ふっしょく)するためにも、「日本人駐在員は特別な存在ではなく、共にこの会社のメンバーであり、共に会社の発展を願っている仲間である」という気持ちが伝わるような姿勢を大事にしています。彼らの文化を理解し、意見を尊重してこそ、ブラジルの人々によりフィットした商品を開発することができるからです。


■重要な役職を任されて自分の成長を実感

当社の場合、海外に出ると、役職が2階級ほど上がって、それまでの担当業務よりも、より重い責任と役割を与えられることになります。私も、日本では課長でしたが、ここでは従業員1000人を超える会社の役員です。そういった大きな役割を与えられることにより、必然的に、組織マネジメント、経営的視点、従業員育成といった業務を任されています。日本では経験できないようなレベルの仕事をさせてもらうことで、私自身も成長させてもらっていると感謝しています。

また、必ずしも日本的な方法ややり方だけがベストなわけではなく、違った考え方、方法もあるということにも、日々の業務の中で直面します。そういったダイバーシティ(多様性)を理解し、それらを利用することが、組織の強みを作っていくことにもつながります。日本で経験したことのない広い視野からの判断を求められる場面もあります。もちろん、日本でもそういった経験を積むことは可能ではありますが、海外では、そういった能力が容赦なく求められてくることから、おのずと自己啓発の機会に恵まれると思います。

海外駐在を希望したからといって、会社は必ずしも個人の希望を100パーセント叶(かな)えてくれるわけではありません。配属先は、あくまでも個々の能力や経験を判断して決定されます。とはいえ、海外に行きたいという本人の強い意欲は、こと多くの困難を伴う海外駐在に関して、人事に影響する極めて重要なポイント。海外駐在を目指す皆さんは、ぜひ、その気持ちを持ち続けて、夢を実現するために努力し続けましょう。そうすることで、夢はきっと叶(かな)えられると思います。頑張ってください!