アメリカで行った実地訓練の飛行時間はすべて、日本の免許に必要な「飛行時間」として認めてくれますので。

これは日本もアメリカも国際民間航空条約の加盟国だからできることなんですが。

――なるほど。

ほかにアメリカでは何をするんですか?飛行に関する基礎を理解するために学科の講習も受講していただきます。

パイロットに要求される学科には5科目あります。

工学法規航法気象A.I.M:日本では通信(※A.I.MはAirmen Information Manualの略)――勉強しないといけないですね。

そうですね。

上記5科目は、アメリカではまとめて一度の学科試験として出題されます(※日本では科目ごとに試験がある)。

――えっ。

英語で受けるんですか?はい。

アメリカの方が簡単に受かるんです。

アメリカでは「工学」「法規」「航法」「気象」「A.I.M」の学科試験問題すべて(約500題)が公開されているんですよ。

その中から問題が出るので、公開されている問題をすべてしっかり頭に入れていけば、まず落ちることはありません。

アメリカの学科試験は、コンピュータが任意に選んだ60題が出題されて、70%以上、つまり42題以上の正解で合格になります。

ですから試験問題は英語ですが、受験慣れした日本人の方は、皆様高得点で合格されておりますよ。

――「法規」だけは日本で受けるんですね?はい。

アメリカで取得された「ライセンス」を日本の免許に切り替える場合、実地は免除になりますが、学科試験5科目のうち「法規」だけは合格しなければならないのです(ほかの4科目は免除)。

それは航空法が国によって異なりますので、日本で飛ぶ場合は、日本の「法規」受けて合格しないとダメなんです。

――これで飛行機を操縦できるんですね?ただし、日本で飛行する場合は「無線の免許」と「日本の航空身体検査」が必要になります。

それを忘れないようにしてください。

――自家用単発機の免許を私のような飛行経験のない人間が取得するといくらぐらいかかるのでしょうか?弊社では160万円〜くらいですね(為替相場により変動します)。

ロサンゼルス滞在中の宿泊費も含んでいます。

――ほかにお金はかかりますか?アメリカまでの往復の旅費、それから滞在中の食費、保険代(任意加入)ですね。

――保険代はどのくらいかかるのでしょうか。

そうですね、1カ月間で1.5万〜2万円ぐらいでしょうか(カバレッジにより変動があります)。

食費は皆さんがアメリカで何をどのくらい食べられるかによりますが(笑)、大体月に3万円〜くらいではないでしょうか。

――すると往復航空券を入れて180万円ぐらいになりますね。

取得するのにかかる時間はどのくらいでしょうか?弊社では「取得目標期間」としていますが約2カ月間〜ですね。

連続で2カ月間くらいの時間が取れない人には「分割コース」もあります。

例えば「年末年始」「ゴールデンウイーク」「お盆休み」など、まとまったお休みを利用して数回に分けて渡米する方法ですね。

往復旅費が余計にかかりますが、連続で時間が取れない人にお勧めです。

――プロペラで飛ぶレシプロ機の場合は分かったのですが、ジェット機の場合はどういう免許になるんでしょうか?ジェット機の場合には、その機種ごとの免許が必要になります。

――えっ! 機種ごとに免許が要るんですか?はい。

例えばですが、ボーイング-747にはB-747の免許、ボーイング-777にはB-777の免許が必要です。

1つあればどの機種でも操縦できるのではないんです。

――ということは、ジェット機のパイロットは自分が操縦する飛行機の数だけ免許を持っているんですか?そういうことですね。

――そこまで進む人はいますか?1年に1人か2人おられるか……という感じでしょうか。

ですが、ボーイング-737の免許を取得された人もおられますよ(笑)。

――それはスゴイ!どうも約200万円の出費を覚悟すれば飛行機の免許は取れるようです。

筆者など、時間とお金があればぜひ挑戦してみたいのですが……。

皆さんは飛行機の免許を取ってみたくありませんか?(高橋モータース@dcp)北洋エバージメントのエアスクール事業部が運営する飛行機免許学校『北洋エアスクール』のホームページはこちら。