連載第22回は、労働条件が劣悪なことで知られるアニメ業界を取り上げよう。大手の制作会社の下には、無数の零細企業がひしめく。さらにその下には、年収100〜200万円とも言われるフリーランスのクリエイターがいる。零細制作会社の社員が明かす苦しい労働環境とは? 

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 あなたは、生き残ることができるか?

今回のシュリンク業界――アニメ

 今や世界に誇る一大産業となった日本のアニメ産業だが、国内市場はシュリンク傾向にある。少子化や原作となる漫画雑誌の売り上げ減などの影響も考えられるが、不況によりアニメ制作の仕事の一部を人件費が安い中国などにアウトソーシングする業者が増え、業界全体が空洞化しつつあることが大きな要因だ。2011年の市場規模は前年比3%増の1581億円。テレビアニメの制作数は2006年をピークに4年連続で下がり続けたが、2009年に底を打ち、足もとでは回復の兆しが見えている。

 大手の制作会社は、アニメーション制作を柱にしながら、著作権ビジネスや関連グッズの販売などで業績を維持している。大手は1960年代からアニメ作品を海外へ輸出し、70年代にはすでにこうしたビジネスモデルを本格化させてきた。

 ただし、足もとで業績が好調な一部の大手も、売り上げは時折出る大ヒット作品に依存している状態であり、かつての勢いはない。ヒット作を持続的に生み出せるかどうかは、今後の課題だ。また、彼らの下請けとなる零細制作会社の経営環境や、そこで働く社員の労働条件は極めて深刻であるが、抜本的な解決には至っていない。

会社と対立して外部の組合に参加
劣悪な労働環境に不満を抱く人たち

 中央の小さなテーブルに、関西の零細アニメーション制作会社(社員数約30人)に勤務する3人の男性が向かい合う。40代後半の男性をAさん、30代半ばの男性をBさん、20代後半の男性をCさんとする。それぞれ別の会社に勤務している。さらにCさんと同じ会社の20代の同僚2人が、オブザーバーとして同席した。

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