賃貸物件の保険の話 火災保険と地震保険




賃貸物件を借りるときは、たいてい火災保険に加入することが求められます。賃貸期間をカバーする火災保険ですが、これはどのくらいの補償金額の保険なんでしょうか。不動産屋さんに聞いてみました。





■安くてもかなり補償額の大きい火災保険



――賃貸物件を借りる際に火災保険に入ることが多いと思いますが、この火災保険はどこまで補償されるのでしょうか。



シングルの方向けの物件などでも「火災保険への加入」をお願いしていることが多いですね。あれは大事なんですよ。



――あの保険ってあんまり高価ではないですよね。



そうですね。賃貸契約は2年間が多いと思いますが、その2年間で大体2万〜3万円ぐらいの保険料でしょうか。シングル用の物件ですと、そのぐらいの保険が多いと思います。



――あまり高くないのですが、その出費でどのくらいの金額まで補償されるのでしょうか?



詳細は各保険の規定を見ていただきたいのですが、大体600万円ぐらいまで補償される保険だと思います。



――かなり補償されるんですね。



ええ。ですから必ず入っていただくようにしているんですね。いざというときに「借り主さん」の味方になってくれるものですから、「ムダな出費だ」などと思わないでご協力をいただきたいですね。



■地震保険はあまり加入されない



――地震保険というのはあるのでしょうか。



3.11がありましたので、気にされる人は多いですね。ただし、賃貸物件の場合、地震保険に加入させることはほどんどありません。また、一戸建てや分譲マンションの場合も、実際に地震保険に加入する人は火災保険ほど多くはないと思います。



――なぜでしょうか?



特にマンションなどの集合住宅の場合が難しいです。自分の部屋は大丈夫でも、例えば基礎部分がまずいことになった場合には、全体でその物件の価値がなくなったりしますからね……。



――なるほど。難しいんですね。地震保険はいくらぐらい出るのでしょうか。



地震保険は火災保険のオプションになっていて、主となる火災保険の30〜50%の保険金額になります。あと上限があります。建物5,000万円、家財1,000万円までです。



――その上限金額は少なくないですか?



それも問題なんですね。先ほども申し上げましたが、保険金が高くなるので、入っている人も地震保険を高く設定してないんですよ。主保険、火災保険で1億円入っていないと(50%として)5,000万円の地震保険に入れないわけです。



そこまで保険にお金をかけられる人はやっぱり少ないです。ですから、火災保険3,000万円、(50%として)地震保険で建物1,500万円とかになりますよね。でも本当に地震で家が壊れてしまったら1,500万円では再建できないわけです。



――ないよりはいいですが、でも微妙な金額ですね。



で、足りない分をローンなんてことになると、まだ住宅ローンが残っている人にとっては二重ローンになりますよね。実際、3.11で被害に遭った方々は相当苦しいことになっていると思います。たとえ地震保険に入っていたとしても、ですね。



――なんとかならないんでしょうか。



あとイヤな点がもう一つありまして。地震が起きて、家が壊れたとします。そのときに住宅ローンが残っていると、その清算が優先されるんです。そのときに、保険金が出たとしてもローンの清算に回って、それでも足りずに、結局ローンだけ残ったなんてこともあり得ます。



――なんですか、それ。



実際問題、もう少し加入者数を増やしたいということあれば、やはり火災保険と地震保険を切り離して考える必要があるのではないでしょうか。いや、これは保険屋さんが考えることでしょうが……。



「もうすぐ大きな地震が来る!」なんて言われているわりには、なんだか保険はもう一つな感じです。3.11でひどい目に遭った人が多くおられるのですから、もうちょっとなんとかならないのでしょうか。







(高橋モータース@dcp)