投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、2月11日〜2月15日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、13日のルー次期米財務長官の指名承認公聴会での円安に対する見解、15〜16日にモスクワで開催されるG-20財務相・中央銀行総裁会議での円安批判を見極める展開となる。

 ドル・円は、日銀新体制への思惑から底堅い展開が予想される。本邦機関投資家は、2月15日の米国債償還・利払い、3月の期末決算に向けたリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)などによる円買いと、円高ヘッジポジションの買い戻しによる円売りで、売り買い交錯が予想される。

【ルー次期米財務長官の指名承認公聴会】(13日)
 ルー次期米財務長官の指名承認公聴会では、安倍政権のアベノミクス(緊急経済対策・金融緩和政策・成長戦略)を受けた円安誘導に対する見解に注目することになる。

 ルー次期米財務長官が円安に対する懸念を表明した場合は、ドル・円は90円割れが予想される。オバマ米政権が安倍政権の円安誘導に対して沈黙している理由として、対中戦略での日米同盟強化、米国産牛肉の輸入解禁、環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加、米軍基地問題の進展、などが挙げられている。

【日本の10−12月期国内総生産(GDP)】(14日)
 日本の10−12月期実質国内総生産(GDP)は、これまでのマイナス予想から、前期比+0.1%、前期比年率+0.4%とプラス予想になっている。今年1〜3月期の国内総生産(GDP)成長率は前期比年率+1.5-2.0%に加速すると予想されており、リスク選好の円売り地合いが予想される。

【G-20財務相・中央銀行総裁会議】(15〜16日)
 モスクワで開催されるG-20財務相・中央銀行総裁会議では、ドイツ、イギリス、カナダ、ロシア、中国、韓国の通貨当局から円安誘導に対しる批判が予想される。麻生財務相は「海外当局の円安批判について反論する」と述べており、米国通貨当局の見解も合わせて要注目となる。

【米国債償還・利払い】(15日)
 本邦機関投資家による米国債償還・利払いを受けた円買い、そして、3月期末決算に向けたリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)が上値を抑える展開が予想される。

 2月11日〜15日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)1月小売売上高− 2月13日(水)日本時間午後10時30分発表
・予想は前月比+0.1%
 参考指標の12月ICSCチェーンストア売上高(ウォルマート除く)は、前年比+2.7%で11月-0.1%から上昇。ガソリン価格は前月比+0.3%程度でガソリン・スタンド売上の増加要因。国内自動車販売台数は前月比+0.9%程度。チェーンストアの売上増が想定されることから、コンセンサスは妥当か。

○(日)10-12月期実質国内総生産一次速報値 −− 2月14日(木)午前8時50分発表
・予想は、前期比年率+0.4%
 プラス成長の見込み。輸出は依然低調だが、個人消費がまずまず堅調であること、住宅投資と設備投資の伸び、住宅ローン金利の低下による影響も無視できない。昨年10−12月期で景気は底入れした可能性もある。

○(米)2月NY連銀製造業景況指数 −− 2月15日(金)日本時間午後10時30分発表
・予想は、-3.00
 先行性のある同指標内訳の1月「新規受注」は、-7.2。1月は、支払い価格は上昇したが、雇用はマイナス。出荷も減少していることから、コンセンサスは妥当か。

○(米)2月ミシガン大学消費者信頼感指数 −− 2月15日(金)日本時間午後11時55分
発表
・予想は、74.5
 1月確報値は73.8←速報値71.3と上方修正。ダウ平均は2月初旬にかけて強い動きを見せており、堅調。ガソリン価格に大きな変動はないことはプラス要因、10−12月期の国内総生産(GDP)は前期比年率-0.1%だが、財政支出の削減によるものであり、指数への影響は大きくないとみられる。コンセンサスは妥当な水準。

 主な予定は、12日(火):(米)1月財政収支、13日(水):(日)1月国内企業物価指数、(米)前週分MBA住宅ローン申請指数、(米)12月企業在庫、14日(木):(米)前週分新規失業保険申請件数、(日)日銀金融政策決定会合(2日目)、15日(金):(米)12月ネット長期TICフロー、(米)1月鉱工業生産・設備稼働率

【予想レンジ】
・ドル・円90円00銭〜95円00銭