先日終了した初場所を最後に、数々の名力士を輩出した名門、二所ノ関部屋が閉鎖される。
 師匠の二所ノ関親方(元関脇金剛、64歳)が脳腫瘍のため、昨年秋から都内の病院に入院。その症状が非常に厳しいことと、かつては100人以上もいた力士が現在はたった3人しかおらず、部屋運営も苦しいことから、場所前、関係者が話し合い、部屋を閉じることを決めたもの。
 「亡くなった大鵬さんは、一門の力でなんとかならないものか、と再興を訴えていましたが、後継者も見つからず、無念の結果となりました。残された力士3人は初場所を最後に引退。部屋付きの北陣(元関脇麒麟児)、湊川(元小結大徹)の両親方は同じ二所ノ関一門の松ケ根部屋、富士ケ根親方(元小結大善)は出羽の海一門の春日野一門に転籍し、バラバラになる予定です」(担当記者)

 これも時代の流れという以外にないが、最近、熱い闘いが続く土俵の裏で相撲部屋の閉鎖、消滅が相次いでいる。大相撲界の定年は65歳。団塊の世代に属する部屋持ち親方たちが定年期を迎えていることと、世の中の不況のあおりを受けて気前のいいタニマチ(後援者)が激減し、部屋を運営する環境が悪化しているためだ。
 「去年は四つの部屋がつぶれました。そのうちの一つ、花籠部屋は、とても協会から支給される養成費だけではやっていけないと訴え、同じ一門の峰崎部屋にそっくり弟子を譲り渡して、3月の春場所限りで看板を降ろしています。いまや親方たちは、どうしたら赤字を出さないで済むか、経営者としての能力も試されてします」(協会関係者)

 この相撲部屋の閉鎖現象、今年もブレーキがかかる気配がない。この初場所後も武蔵川(元横綱三重ノ海)、放駒(元大関魁傑)、中村(元関脇富士桜)の3親方が定年で大相撲界を去っていくが、力士数8人の放駒部屋はまだ身の振り方が決まっていない。
 明日は我が身。大相撲界に吹き付ける風は、こちらでも冷たい。