2012年11月9日〜13年2月8日・日足

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いわゆる「過払い金請求問題」によって経営危機に陥り、2009年に事業再生ADRを申請したアイフル(8515)。同社の株価が2012年末から急騰している。大幅なリストラによる経営体質の改善が市場に好感されているわけだが、気になる今後は? 徹底した業績・財務分析を行うとといもに、株価シュミレーションも敢行した。

前期は3期ぶりに営業黒字を達成

 消費者金融大手のアイフル(8515)は、2006年に強引な営業や、暴力的な取り立てが「社会問題」として取り上げられ、金融庁より業務停止命令を下された経緯がある。

 また、グレーゾーン金利(※注1)の廃止によって、顧客から取りすぎた利息「過払い金」の返還請求が激増。企業イメージの悪化や、莫大な過払い金の返還請求によって、同社は経営危機に陥った。2009年に事業再生ADR(※注2)を申請し、現在事業再建を図っている。

 2012年3月期決算では、営業収益(売上高)は1140億円と前年比−21.4%だったが、営業利益段階から黒字を達成。当期純利益は173億円(前年−319億円)と、3期ぶりの黒字を達成した。これは徹底したコストカットによるところが大きい。

店舗は3割・人員は6割も削減するリストラを敢行

 同社は、2009年に事業再生ADRを申請後、店舗、人員、広告費等の大幅な削減を行った。

 店舗数は2009年時点の987店舗から625店舗まで削減し、人員も7047人から2692人まで削減した。この結果、店舗数は09年と比較して約3割減少し、人員においては約6割も削減している。

 店舗削減や人員削減、広告宣伝費等を大きく削減することで、営業費用は09年期の3047億円から12年期には975億まで削減し、約2000億円のコストカットを実現。過払い金の返還請求などで一時経営危機に陥った同社だが、徹底したコストカットにより経営破綻のリスクは解消したといえよう。では、同社の業績は今後どのように推移していくだろうか。

※注1:グレーゾーン金利
グレーゾーン金利とは、消費者金融やクレジットカード等を扱う貸金業者が、法定利息の上限を超えて徴収した利息。2006年以降、社会的に問題視されて、最高裁判決で「法定利息以上に徴収した金利は返還しなければいけない」との判決が出された。その後、払いすぎた利息の返還を求める過払い金返還請求が激増し、返還金の規模が莫大であるために、アイフルなどの消費者金融会社が次々と経営危機に陥った。
※注2:事業再生ADR
債務超過に陥った企業の問題を、法的な手続きではなく、裁判外紛争解決手続き(ADR、Alternative Dispute Resolution)によって解決する制度。中立的立場にある専門家のもとで金融機関などの債権者と企業(債務者)の調整を行い、債務免除にともなう税負担を軽減するとともにつなぎ資金の融資を円滑化するなどの手段を用いる。

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