●ネット証券の口座開設は約1週間かかる

 まず、株を購入するためには、証券会社に口座を開設しなければならない。証券会社は大きく分けて、ネット専業証券と店舗型の証券会社がある。ネット専業証券は、ネット上で申し込み手続きを進められるが、申込書を郵送でやり取りしなければならず、口座開設終了まで1週間から10日間かかる。

「店舗型の証券会社は、本人確認ができれば、来店してその場で口座開設ができ、様々なアドバイスも受けられます。しかし、売買手数料などはネット専業証券が割安。コスト重視ならネット専業証券がオススメです」と目黒さん。

 口座開設後は、購入に必要な資金を銀行から証券口座に振り込む。必要資金は最低投資金額に、売買手数料などのコストを加えた金額となる。入金が済めば売買注文を出せる。証券会社によって注文画面は異なる。事前にシミュレーションもできるので、証券会社を選ぶ際はあらかじめ注文画面も確認しておきたい。

 株主優待投資で最も大事なのは購入のタイミングだ。権利確定日をチェックし、その前後の株価の動きを把握してないと思わぬ損をすることもある。下記5大ポイントをしっかり把握しておきたい。

■「株主優待」獲得までの流れ
1 証券会社を選ぶ
2 証券口座を開設する
3 必要資金を口座に入金
4 目当ての優待株の権利確定日を確認する 
5 売買注文を出して購入
6 企業の株主名簿に記載されて株主になる
7 優待品が届く

<基礎>「失敗しないための5大ポイント」

?株の受け渡しには3営業日が必要

「株券はすべて電子化されていますが、株を購入してから、自分の口座に保有株として受け渡されるまで、購入日の翌日から営業日ベースで3日間かかります。例えば、月曜日に買ったら、木曜日に保有株となるわけです。まず、この受け渡しの仕組みを把握しておきましょう」

?優待を受けるには条件がある

「優待を受けるには、企業の株主名簿に株主として記載されることが条件となります。そして、株主名簿に載るには、その銘柄の権利確定日に株主であることが必要です。つまり、権利確定日の3営業日前までに、その銘柄を買っていなければなりません。この、権利確定日に株主になれるギリギリの売買日のことを、その銘柄の権利付き最終日と呼びます。この条件を知らないと、株を買ったものの1年以上優待をもらえない、といったことも起こります」

?権利付き最終日の株価は割高傾向

「優待株は人気があるため、権利付き最終日に向かって株価は上がりやすくなります。そして、権利付き最終日さえ株を持っていれば、翌日に売却しても優待の権利は獲得できてしまうので、翌日以降は売られて株価が下がる傾向にあります。権利付き最終日に近いタイミングでは購入しないほうが無難です」

?権利付き最終日の翌日を狙う

「?の法則を利用して、優待株を安く買う方法のひとつです。権利付き最終日の翌日は株価が下がる傾向にあるので、その日を狙って購入するのも手です。長期保有を前提に優待を狙う人にはオススメですね」

?優待品が送られるまでは約3か月

「権利確定日に株主となり、株主名簿に名前が記載されれば、その企業の決算発表、そして株主総会を経て、優待品が自宅に届けられることになります。権利確定日から決算発表までには約1か月、株主総会まではさらに約1か月かかるので、優待品が届くには3か月程度かかることになります」

<応用>「株主積み立て」でコツコツ投資計画

 株主優待は、基本的に単元株数を保有していないと受けられない。そして、単元株数で株主優待を受けるのが最も効率がいい。「単元株数が100株の場合、100株の優待と、投資金額が2倍の200株でもらえる優待の内容は変わらないケースが多い」(目黒さん)。

 しかし、単元株数を購入する資金がなくても、実質的に優待が受けられる方法もあるという。

「証券会社によっては、1万円以上1000円単位で、積み立て方式で株を買えるサービスを提供しています。『株式積み立て』『株式累積投資』と呼ばれるものです。その中には、積み立てで保有している株式数が単元株式数未満でも、配当金や株主優待を換金した分を、保有株数に応じて分配し、再投資してくれる会社があります」

 積み立て方式で買うことで、株式の価格変動リスクを抑える効果もある。また、「毎月3万円、ボーナス月に7万円を積み立てると、年間で50万円株式を購入すことになります。これを20年間続ければ株式資産は1000万円です。1000万円の資金があれば、今回掲載した30銘柄をすべて購入することも可能です」(目黒さん)。

 今からコツコツ始めれば、「0円生活」が送れる可能性は十分にあるわけだ。

★今からできる「株主積み立て」20か年計画!

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◎本誌連載でもおなじみ山田真哉さんが特別指南「投資は第3のゲイン『優待ゲイン』に注目!」

●山田真哉さん

山田真哉さん

一般財団法人芸能文化会計財団理事長・公認会計士・税理士。76年生まれ。著書に160万部超の『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』など。

 本誌で「女子高生とさおだけ屋の5分間の会計学」を前号まで連載した公認会計士の山田真哉さん。資産運用や老後のマネーについても詳しい山田さんも、株主優待投資に大いに注目しているひとりだ。05年に大ベストセラーとなった『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』で生じた印税収入のうち、山田さんは5000万円を株式やFXに投資。が、ライブドアショックやリーマンショックなどで、投資した資産を3分の1に減らすことに……。

「それ以来、私は自身の反省を踏まえて、投資は回収してこその投資、と考えるようになりました。投資対象としては、元本が減りづらい安全性の高いモノで、かつ、現金化しやすいモノを選ぶべきでしょう」

 その条件に合う具体的な金融商品は、やはり個別株だという。その理由は?

「投資をしているという実感を持ちやすく、現在は取引手数料も安い。そして、キャピタルゲイン(値上がり益)とインカムゲイン(利息あるいは配当収入)を狙うことができます。さらには第3のゲインともいえる?優待ゲイン?が本当にお得です。優待ゲインのいいところは、株価が下がっても特典が失われないこと。ほかの投資商品にはない特徴です」

 実際に山田さんは今回紹介したビックカメラや三越伊勢丹ホールディングス株を保有し、毎年、優待ゲインを得ている。

「スーパーマーケットやドラッグストア、飲食店など、リタイア後にも役立ちそうな割引券のある銘柄を選んでいくと、生活の大きな助けになることは間違いありません。これからは、安全性の高さを考慮して、キャピタルゲインよりも配当によるインカムゲイン、そして優待ゲインに注目していきましょう!」

■『問題です。2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい』著/山田真哉 小学館 1365円

問題です。2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい

本誌の大好評連載「女子高生とさおだけ屋の5分間の会計学」を大幅に加筆・修正した山田真哉さんの最新刊『問題です。2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい』が、12月13日に全国の書店などで発売されます。