では、どのように貯蓄をしていけばよいのでしょう。

毎月の収入の中で、余ったものを貯金に回すという方法ではいつまでたってもお金を貯めることはできません。

まず収入の中から「先取り」でご自身が決めた金額を別の口座や財布に分けます。

木村さんの場合は、主に食費4万5000円の中での調整となるので、先取りする金額を1万円とすると残りの3万5000円(先取りの金額を1万5000円とした場合は3万円)でやりくりをすることになります。

ちょっときついかもしれませんが、できるだけ自宅で食事をとるようにすれば食費はある程度抑えられると思います。

節約できた分で時には外食したり、遊びに行ったりするのもよいでしょう。

大切なのは、メリハリをつけてお金を使うということです。

こうして目的をもって貯蓄をするという習慣が身につけば、木村さんが夢のまた夢と感じている「海外旅行」も実現可能になっていくと思います。

「目的貯金」を実践する中で、お金を貯める方法は少しずつ身についてくると思いますが、実際に将来のための貯蓄を始められるのは社会人になってからになります。

では20代独身男性はいくら貯金をすればよいのでしょう。

厚生労働省の「平成23年度賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」によると、平成23年度の初任給は以下の通りでした。

あくまでも平均ですが、初任給を20万円として考えてみましょう。

実際の手取額は、ここから健康保険、厚生年金保険、雇用保険などの保険料と、所得税の源泉徴収分が引かれて約17万円になります。

一般的に2割程度は貯蓄に回したほうがいいと言われていますが、木村さんの場合、奨学金の返済が毎月2万5000円あります。

就職した会社に社宅や寮があればいいのですが、現在の住居のままだと難しいかもしれません。

まずは1万円でも2万円でもいいので、できる範囲でコツコツと貯めるようにしましょう。

もしもっと貯蓄をしたいと思うなら、大きな出費となっている家賃をもう少し下げるという方法もあります。

ただ家賃については、就職後に住む場所によって大きく違ってきますので、その時に改めて見直してみて下さい。

また木村さんは現在、奨学金で生活費をまかなっていますが、月9万5000円の支給なので、4年間で456万円を借り入れることになり、就職後に毎月2万5000円ずつ20年間で計600万円の返済をすることになります。

奨学金には利息が付いているため、返済する金額の方がかなり多くなってしまうのです。

利息分を節約するためにも、お金が貯まったら無理のない範囲で繰り上げ返済していくという選択肢も考えられます。

まだ大学生の木村さんですが、早いうちから貯蓄の大切さを知りその方法を身につければ、将来の不安を減らすことができると思います。

また具体的な目標をもつことで、さらに前向きな貯蓄が出来るようになるでしょう。

まずは「目的貯金」から始めてみてください。