内田篤人 (Photo:Tsutomu Kishimoto/PICSPORT)

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2月6日、日本代表は今年の初戦としてラトビアを招いて親善試合を行い、3-0と快勝した。

ゴールの口火を切ったのは岡崎慎司。その岡崎の得点につながるパスを出したのは内田篤人だったが、微妙な表情を浮かべていた。その理由とは……。

ラトビア戦に臨んだ日本代表は、前半から圧倒的に試合を支配しながらゴールを奪えず、こう着状態が続いた。だが41分、岡崎慎司の得点が生まれ、後半も本田圭佑、再び岡崎と加点し、今年最初の試合でしっかりと勝利を収めた。

岡崎の先制点は、ゴール前での日本らしい細かいパス交換から生まれた。最後は内田がグラウンダーの早いボールをゴール前に入れ、岡崎がワンタッチで合わせて角度を変え、ネットを揺らしたのだった。

岡崎はこのゴールを喜ぶとともにホッとしていた。というのも、シュツットガルトでの岡崎はいいチャンスメイクをするものの、惜しいところで結果が出ていなかったのだ。

岡崎慎司
前半41分、代表通算30点目となる先制ゴールを奪った岡崎(写真右)。ホッとした表情を見せていた


――今日ゴールを取ったことで、今停滞しているのを打破するきっかけになったのでは?
そう聞かれた岡崎は「(笑みが消えて真顔になった)そうですね。そうなれば、とてもいいと思います」と答えた。

そして、遠藤保仁のポジションで先発した細貝萌も、このゴールに手応えを感じていた。いつもは守備で存在感を見せる細貝は、「相手はフィジカルが強いという情報があったので楽しみにしていたのですが……」と自分の特長を出せると考えていた。ところがラトビアは肉弾戦に持ち込めなかった。だが、この1点目につながるパス交換に細貝は顔を出し、攻撃面でのアピールを行ったのだ。

「1点目の前のダイアゴナルのパスはその先のゴールにつながったと思います。ああいうのがもっと出せるようになればいいと思いますね」

◆岡崎の先制ゴールを演出した内田

岡崎へのパスを出した内田。得点後に満足そうな表情を浮かべていなかった。どちらかというと、苦々しい表情だったのだ。その点について内田に聞いた。内田はユーモアを交えながら、正直に答えてくれた。

――1点目のときに自分で狙わなかったのはなぜ?
「あの時は、DFの股が空けばそこに転がせばサイドに行くと思っていたんです。でも空かなかった」

――だからパスに切り替えた?
「いや、パスというか……適当に蹴っただけです」

――ゴールの後にあまり喜ばなかった。
「狙ったシュートを打てなかったから、全然うれしくなかった。まぁ、岡ちゃんはうれしかったと思いますね(笑)」

岡崎慎司
2得点をあげた岡崎。ザッケローニ監督と笑顔イッパイに握手

本田圭佑
後半15分、本田が2点目のゴール。ラストパスをもらった香川と喜び合った


 (Photo:Tsutomu Kishimoto/PICSPORT)