先月30日、柔道女子・日本代表選手ら15名が、園田隆二監督らの暴力行為をJOCに告発した問題では、園田監督に加え、全日本柔道連盟・吉村和郎強化担当理事、徳野和彦コーチも引責辞任を表明するに至った。

だが、選手サイドは、前強化委員長でもある吉村氏が構築した強化体制や全柔連の組織体質についても不信感を抱いており、「当事者の辞任=問題解決」となることに懸念を示し、徹底して問題点を追求する構えを見せている。

そんな折、5日放送、テレビ朝日「報道ステーション」では、バルセロナ五輪銀メダリスト・溝口紀子氏が同問題に見解を述べた。溝口氏は全柔連の組織体質について、「東海大学を中心とした私学の大学の学柔連(全日本学生柔道連盟)、一方で、国公立の筑波大とかを中心とした派閥があったんですけど、管理職の人が帰属意識がより強いので、そういうのを持ちながらやっている部分はある」とコメント、硬直化した組織の背景を指摘した。

それでも、溝口氏は「一枚岩ではないバックもあって、柔道界っていうのは統一されていない中で、この事件が起きた。派閥っていうのは戦後の体制というか、もう一回リニューアルする時期じゃないか」と言葉を続けた。