現地に溶け込んでエンジョイ! サンパウロ生活

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海外駐在員ライフ Vol.183

From Brazil

現地産の日本酒や焼酎で晩酌も楽しめるサンパウロでの暮らしとは?


■日本の食材が豊富なのは日系移民の方々のおかげ

こんにちは。サンパウリーノです。今回は、私のサンパウロでの暮らしについてお話しします。

サンパウロは、意外と物価が高い街。例えば、昼食をレストランで取ろうとすると、約1500円くらいの出費になります。円がもっと安かったころだと、2000円くらいの感覚で、日本と比べてずいぶん高いなという印象でした。ブラジルには、「ポルキロ(Per Kilo)」と呼ばれる、1キログラム当たりの量り売り式ビュッフェがあるのですが、この方式で、肉・野菜・フルーツなどを皿に載せた場合、1500円出せばそれなりに満腹感は得られます。一方、日本食レストランなどでは、定食やお弁当程度の量でも、1500円程度なので、日本食は特に高く感じますね。ブラジルでは、一般的な雇用契約の場合、労働組合との取り決めに従って、食事は企業側が現物支給するか、あるいはチケットを支給するように義務付けられていますが、それでも現地の人々には食費の負担は重いようです。チケットも、月に1度の家族との外食に充当するなどして、大事に使っています。

また、ブラジルを語る上で欠かせないのが、日系移民の方々のこと。1908年に最初の移民船である笠戸丸が到着して以来、150万人とも言われる日系移民の方々がブラジルに移り住み、日系コミュニティーを作っていることを、皆さんはご存じでしょうか。過酷な環境の下、コーヒー生産をはじめとした農業に骨身を削って土地を開拓し、ブラジル社会の中で一定の地位を築いてくださったおかげで、今では日本や日本人、日系の会社は、現地の人々から絶大な尊敬や信頼を得ています。日本人イコール「勤勉」、日本製品イコール「高品質」というイメージが定着していますし、「道を聞くなら日系人(日本人)に聞け」と言われるほどです。それだけ信用されているのです。

日系移民の方々のそうした努力の結果、ここでは、日本のものと比べてもまったく遜色のないものが手に入ります。例えば、キュウリ、オクラ、白菜といった野菜や、桃、冬柿などの果物。豆腐や味噌、しょうゆなども現地で生産されています。そのおかげで、わが家では基本的にご飯と味噌(みそ)汁という、オーソドックスな日本食を日常的に頂いています。現地産の日本酒や焼酎で晩酌も楽しめます。


■家族全員がサンバチームに所属

ブラジル生活での一番の楽しみは、サンバチーム(直訳だと「サンバ学校」)での活動。私たち家族は全員、なんらかの形でサンパウロの「1軍サンバチーム」に所属しているのです。サンパウロのサンバチームは1軍から7軍までにカテゴライズされていて、1軍の地位に居続けるには、資金力と動員力の両方が必要。1軍チームにいられることは、それだけ名誉なことでもあります。

私はそのサンバチームの楽器隊の一員として、毎年2月にあるカーニバルに向けて、毎週末、楽器を叩いています。楽器は未経験でしたが、チーム内で教わりながら、4年越しで正式なメンバーとして迎えられました。チームの資金集めのためにホテルや他学校でのイベントなどに遠征するときは、泊りがけになることもありますが、家族全員で行くこともあって、ちょっとした小旅行気分。サンバチーム内には、子どもを預け合うなど、家族ぐるみの付き合いをしている仲良しファミリーもいます。

サンバは1年に一度のお祭りのように見えますが、そうではありません。各チームは、「社長」に相当する「プレジデンチ」をトップに、各責任領域を持った役員たちが中心となって、本番までの年間スケジュールを立ててチームとして組織力を最大化するために活動しており、実は会社組織とまったく同じ動きをしているのです。サンバチームから、ブラジルにおける“組織”のあり方について、多くを学ばせてもらっています。

また、現在住んでいるマンションにも、子どもを通じてできた多くの仲良しファミリーがいます。すべてブラジル人です。入居当初、子どもに友達を作らせるために家をオープンにしていたところ、今では、常に家の中に子どもの友達がいる「溜まり場」状態に。サンバや子どもを通じて多くのブラジル人と友人になることで、ブラジル人社会にもすっかり溶け込むことができたのだと思います。

次回は、海外駐在に求められるものについてお話しします。