日本生産性本部が上場企業を対象に実施した「日本的雇用・人事の変容に関する調査」の結果によると、正社員の解雇規制緩和を肯定する企業の割合が5割近くに達し、否定する企業の割合を大きく上回ったことが分かった。

 「非正社員雇用者の増加の大きな要因の一つは、正社員に対する解雇規制であり、労働力の円滑な流動化促進のためには正社員の解雇規制の緩和が必要である」という質問に対する賛否を聞いたところ、肯定する回答が約5割(「そう思う」14.9%、「どちらかといえばそう思う」33.8%)を占めた。

 「どちらともいえない」が約3割(31.2%)、否定的な回答(「全くそう思わない」5.8%、「どちらかといえばそう思わない」14.3%)は約2割(20.1%)となっている。

 解雇規制緩和に否定的な理由には、「正社員の解雇規制を緩和しても、必ずしも雇用の増加にはつながらない」(50.0%)、「雇用の安定・確保が損なわれることの不安が、働くことに悪影響を及ぼす」(34.3%)が多い。

 業務内容や成果・貢献度に比べて賃金水準が高い正社員が多い年齢層は、「50代」(50.6%)を挙げた企業が最も多かったが、「特定の年齢層にかたよっていない」(35.7%)も3割を超えた。以下、「40代」(26.6%)、30代(10.4%)、20代(9.1%)となっている。

 65歳までの雇用義務化に対しては、「再雇用選定基準が必要」(95.7%)と回答している企業が9割を超えている。また、「人件費の推移によっては、新卒採用の抑制もありうる」(32.1%)、「若年層も含めた全ての社員を対象に賃金水準や退職金・企業年金の見直しをする」(27.9%)と回答している企業がそれぞれ3割前後あり、若年層の雇用への悪影響が懸念される。

 調査は、12年10月下旬から12年11月中旬に上場企業を対象に実施し、154社から回答を得た。

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