安心して一人暮らしをするために、知っておきたい「地震対策」

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死者18,131名、不明者2,829名(平成24年9月28日現在)という甚大な被害をもたらした東日本大震災からもうすぐ2年。震災の教訓を忘れることなく、日ごろから防災意識を高めておきたいものです。ここでは、いざというときに備えた、一人暮らし向けの再点検ポイントをおさらいしておきましょう。また、この春、新生活を始めるため、大勢の方が新居に引っ越されるはずです。いざ、というときに慌てず冷静に対処するために、「住み始める」前からも、きちんと対策やポイントを考慮して、お部屋を選んではいかがでしょうか。

●強い地震が来たら家の中はどうなる?
「阪神・淡路大震災」の発生時刻は午前5時46分、「東日本大震災」は午後2時46分。いつどんな状況で地震に襲われるか予測はできません。もし、家にいるときに強い地震が襲って来たら、家の中はいったいどのような状況になるのでしょうか。

「阪神淡路大震災 住宅内部被害調査報告書」(日本建築学会)によると、阪神淡路大震災で震度7だった地域を調べたところ、「約6割の部屋で家具が転倒」という結果に。転倒した家具でもっとも多かったのは本棚でした。


■家具別、転倒した割合(阪神淡路大震災における震度7の地域での被害状況)
1 本棚(52%)
2 食器棚(34%)
3 洋たんす(30%)
4 ピアノ(10%)

転倒した家具で体を打ちつけられると、大ケガや死に至る危険性もあります。また、移動した家具が避難経路をふさいでしまうことも。特に一人暮らしでは、タンスやテレビ台、ローテーブルなど多くの家具が一つの部屋に配置されているため、注意が必要です。今地震が来た場合自分の部屋がどうなるのかを想定し、家具の転倒や落ちて壊れそうな物などを再点検しておきましょう。


●家の中でできる防災対策
家で地震に見舞われたときに備えて、あらかじめ防災対策を行っておきましょう。

【1】家具を固定する
報告書からも分かるように、地震対策としてまず行っておきたいことは「家具の固定」です。住居の形状や家具の大きさに合った方法を選んで実践しましょう。
・L型金具で家具と壁をとめる。
・突っ張り棒を使って家具と天井を固定する
・家具の下に耐震マットを敷く
・キャスターのあるものは固定させる
<ワンポイント>背の高い家具を固定するときは、上部と下部の2カ所に対策を施しましょう

【2】家具の配置を再検討する
地震後に避難しようと思っても、家具にふさがれて扉が開かなくなってしまうことがあります。また、就寝中に家具や物が落ちてきてケガをすることも。以下の点を踏まえて、家具の配置には十分配慮しましょう。
・扉の付近に倒れやすいものを配置しない
・家具が転倒しても頭や体を直撃しない位置にベッドを置く
・ベッドの周りにキャスター付の家具を置かない
<ワンポイント>家具の近くで寝る場合は、家具の側方(倒れてこない方向)が安全

【3】割れ物が散乱しないように注意する
地震の揺れで割れ物が飛び出して床に散乱すると、破片などでケガをしてしまいます。特に食器棚への対策は重要です。
・食器棚の扉に留め金具を付ける
・窓ガラスにフィルムを貼る
<ワンポイント>
地震がおさまった後、食器棚の扉を開けるときはゆっくりと注意して。一気に開けると割れたものが飛び出して散乱する危険性があります。

●防災袋で持ち出すもの
地震の被害状況によっては、避難しなければならないケースも出てくるでしょう。あらかじめ非常時に持ち出す荷物をリュックサックなどに入れてまとめておきましょう。あれもこれも入れてしまうと、重くて持ち出せないということに。以下のリストを参考に、「最低3日間生活できること」を目安に食糧や日用品をそろえましょう。

[食糧]
水、ビスケット、チョコレート、ゼリー飲料、缶詰など
[貴重品]
印鑑、預金通帳、保険証など
[日用品]
手回し充電器(ラジオ、懐中電灯付き)、電池、軍手、ラップ、ウェットティッシュ、トイレットペーパー、歯磨きセットなど
[医薬品]
ばんそうこう、消毒液、薬など
[衣類]
毛布、タオル、セーター、下着、運動靴など

自分の地域が果たして地震多発地帯なのかどうか、基礎知識として気になるところです。これを確認できるのが「地震ハザードステーション」(防災科学技術研究所 http://www.j-shis.bosai.go.jp/)。このサイトを利用すれば、日本全国から自分の住む地域まで、地震が起きる確率や活断層の位置などを確認することができます。例えば、「30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を調べると、太平洋沿岸地帯の大部分では、26%以上の高い危険性を示します。これを見ると日本がいかに地震大国であるか、いやが応でも再認識させられるでしょう。

出典:「地震調査研究推進本部」(地震調査研究推進本部事務局)、「地震ハザードステーション」(防災科学技術研究所)

著者:森 眞奈美さん
国内外あわせて計12回の引越しを経験。その時の経験を元に、引越し・新生活を円滑に進める情報や提案を新聞・雑誌・Web上で発信。またAFPの資格を取得後は、ビジネス誌、ムック本、Webで生活にかかるマネーの執筆活動も行っている。監修本に『ひとり暮らしの教科書 理想のお部屋に引っ越し編』(毎日コミュニケーションズ)がある。